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やけどの知識
 やけどの応急手当をする場合、重傷度の判定が重要になってきます。
 重傷度の判定は、やけどの深さ・面積・場所、気道熱傷の有無、年齢、健康状態により決定されます。
1 重傷度の判定
(1)やけどの原因

 やけどの原因は、爆発、火災、熱湯、過熱蒸気、化学薬品などがあり、その原因を把握することで重傷度の判断材料とします。
(2)呼吸障害と気道熱傷の有無

 誤って熱湯を飲み込んだときや、過熱ガス等を吸引したときは、口の中やのどの粘膜が腫れてしまい、気道閉塞状態(口、鼻から肺までの空気の通り道が塞がってしまう事)になりやすくなります。
 気道熱傷の有無は、声の喘鳴・せき・口の中のすす・鼻毛の燃焼などにより判断します。
2 やけどの程度
(1)やけどの面積

 やけどの面積がその人の体表面積の何%ぐらいかを調べます。

(a)やけどをしている面積を下の図の「9の法則」で調べます。

(b)やけどをした人の片方の手のひらの面積は、体全体の約1%です。

(c)小児では、頭の面積のしめる割合が大きいので「ブロッカーの法則(5の法則)」を参考に面積を調べます。
表面積の算定方法
(2)やけどの深さ

 やけどによる障害が皮膚のどの層にまでおよぶかで、I 度・II度・III度熱傷に分類され、外見・症状・治るまでの過程が変わってきます。
 また、皮膚は体の外とのバリアとして、細菌が体内に入るのを防ぐ働きがあるので、やけど等で皮膚のバリア機能が失われると、感染症などにかかりやすくなるため、やけどの深さを知ることが重要になってきます。

(a)I 度熱傷

 皮膚の壊死は表皮内にとどまり、皮膚のバリア機能は保たれているので感染の危険性はありません。

(b)II度熱傷

 II度熱傷は真皮の浅い層の浅達性II度熱傷と、それより深い層の深達性II度熱傷にわけられます。
 浅達性II度熱傷は皮膚の壊死が真皮にまで及ぶため、表皮のバリア機能は失われ感染の危険性は高くなります。
 深達性II度熱傷は感染などで容易にIII度熱傷に移行します。

(c)III度熱傷

 真皮、表皮全層が壊死に陥り、壊死が皮下組織や筋肉に達する場合もあります。そのため、バリア機能は失われ厚い壊死組織が存在するため、感染を起こしやすくなります。
 また、表皮を再生する細胞が死滅しているので、通常直径5cm以上のIII度熱傷では、壊死組織の切除と植皮術を行なわないと治癒しません。
熱傷深度の目安
 I 度〜III度熱傷の外見、症状等は下記の通りです。
外見 症状 治る過程
I 度熱傷 発赤・紅班 疼痛・熱感 数日で治る
浅達性II度熱傷 水疱・浮腫・水疱底が赤色 強い疼痛 1〜2週で治る
深達性II度熱傷 水疱・浮腫・水疱底が蒼白 灼熱感 3〜4週で治る
瘢痕が残る
III度熱傷 蒼白(時に炭化)・羊皮紙様・浮腫 疼痛なし・痛覚なし・脱毛 植皮を要する
                 
(4)やけどの重傷度
 やけどの場所、広さ、状態(深度等)などに基づいて判断します。

(a)重症のやけど(特定の医療機関や救命センターで集中治療が必要です)

 II度のやけどが体表の30%以上
 III度のやけどが体表の10%以上
 気道熱傷の合併
 ショック症状のあるもの

(b)中等度のやけど(一般病院で入院加療を必要とします)

 II度のやけどが体表の15〜30%
 III度のやけどが体表の2〜10%

(c)軽症のやけど(外来で治療します)

 II度のやけどが体表の15%未満
 III度のやけどが体表の2%未満
注意
 老人や乳幼児のやけど、ガス中毒や窒息を合併しているもの、顔面のやけどで鼻毛が焦げている時などは重症と判断します。
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