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17年度 高校生の税に関する作文 受賞作品

 
(所沢税務署長賞 優秀)

「祖母と税金」

   西武学園文理高等学校  1年   大谷  寛  

 うちの祖母は89歳。毎日散歩と近くの長生荘の風呂に行くことを日課にしているおばあちゃんだ。人は祖母に向かって「お若いですね。しっかりしてますね」と言ってくれる。かくしゃくとした人である。

  その祖母が時折「今月は大変だ。」とつぶやくことがある。「どうして」ときくと「今月は固定資産税を払わなくちゃいけないんだよ」という答えが返ってきた。「固定資産税?」今住んでいる土地は祖母名義で、祖母は所有する資産に課せられる税を負担している。何でもそれは「この辺の中で一番」の額だそうで、無職で年金のほかに収入のない祖母にとってはかなりの負担ではないかと思う。しかし祖母は子供たちを頼ることもなく、年4回納税の義務を果たしている。それも近くの農協が閉鎖されてからは町営バスに乗って、2キロ以上離れた町役場まで納めに行くのだ。「この年で税金を払うのは大変」と言う祖母だが、その姿からは税を負担し、そのことをとおして社会に貢献しているという誇りのようなものが感じられる。「現役を退いた年齢になっても、納税することによって自分の責任を果たし、社会に寄与しているんだ」そんな気概が感じられる。案外祖母の元気の源はそこら辺にあるかもしれない。

  誤解のないよう3点いいたい。1つは社会貢献の前に僕たち家族のために日々尽くしてくれる祖母に感謝しているということ。2つ目は世の中には様々な立場の人がいて、他のお年寄りのことをどうこう言うつもりはないということ。3つ目は無職の祖母が税を納められるのも年金のおかげということ。その年金も社会保障関係費ということで税金が使われていることである。

  租税等を資金として国や市町村などが行う活動である財政は社会資本の整備や公共サービスの提供などのために行われる。長生荘にも町営バスにも、警察や外交関係のことにも税が使われている。水道の蛇口をひねると水が出るのも、公園や博物館や雁坂トンネルができたのも、税のおかげである。そう考えると年金は「世代と世代の助け合い」だが、納税者がいてその恩恵を受ける人がいる税は「人と人とを結ぶ橋」といえるし、それだけでなく回り回って自分に返ってくるものといえよう。

  日本は今「少子高齢化」という第4番目の変革期にあるという。これを乗り切る上で租税が果す役割は大きい。僕たちは主権者としてよりよい社会の創造に向けて責任を果たさなければならない。その1つはどのように税が使われるか、積極的に政治に参加することだと思う。また一つは勤労の義務を果たし納税の義務を果たすことだと思う。これから迎える高齢社会に対して不安は大きいが、僕は祖母の生き方を手本に誇りをもって生きたい。自分のなすべきことを果たし、社会に役立つことに努めたい。

 

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