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綿貫家のどんどん出てくる傘

更新:2011年3月1日

画:綿貫家のどんどん出てくる傘

 むかしのお話です。中央図書館のあたりに、綿貫家(わたぬきけ)という、それは大そうな大金持ちがいたそうです。俗に、西の鴻池(こうのいけ)、東の綿貫といわれるほどのお大尽(だいじん)だったそうです。綿貫家は、江戸にたくさんの店を持っていました。入間川から江戸の店に行く道中の土地は、すべて自分のものであったということです。
 ある暑い夏の夕方のことです。綿貫家の近くのお宮で祭礼がありました。近郷近在(きんごうきんざい)から大勢の人たちが集まってきて、大そうなにぎわいでした。と、一天にわかにかきくもり、はげしい夕立になりました。大勢の人たちは、われ先にと綿貫家へ(かさ)を借りに、かけ込みました。「お困りでしょう、さあ、どうぞお持ちください」。綿貫家では、どの人にも次々に傘を渡しました。
「これはありがたい、私もお借りしたいのですが」
あとからあとからやってくる、人、人。その数は数えきれないほどになりましたが、傘はどんどん出てきます。
「さあさ、どうぞどうぞ。どなたも傘を…」
あまり傘が限りなく出てきますので、一人の旅人がたずねました。
「さすがお大尽だけあって、傘のたくさんあること。いったい何本ぐらいあるんだべえ」
すると綿貫家の番頭(ばんとう)は、にこにこしながら申しました。「はい、数えたことはございませんが、傘ならまだ、むこうの蔵三つにいっぱいありますからどうぞご心配なく」
 人々は、いまさらながら綿貫家のお大尽ぶりに、きもをつぶしたということであります。

問い合わせ

総合政策部 広報課 組織詳細へ
狭山市入間川1丁目23番5号
電話:04-2953-1111
FAX:04-2954-6262

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