令和3年度市長施政方針

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更新日:2021年2月19日

令和3年度の市政運営に臨む基本的な考え方と主要な施策について申し上げます。
まず、最初に市民の皆様をはじめ、新型コロナウイルス感染症と向き合い、そして闘っているすべての皆様に感謝を申し上げたいと思います。
 
昨年、国内では1月15日に、市内では3月19日に初の感染者を確認しました。誰も経験したことのない事態であるが故に、感染症への恐怖とこれからの生活に対する不安は日ごとに募り、社会全体を暗く覆っていたことを昨日のように思い出します。
 
この状況のなかで、すべての医療従事者や研究者たちの献身的な努力は、ウイルスのメカニズムの解明とその治療法の確立、そしてワクチンの開発に多大な貢献を果たし、多くの命を守りました。事業者の皆様は苦渋の決断として休業や時短要請にご協力いただき、事業と雇用の維持を図り、経済の再生に向けて、努力を続けていただいております。学校の教職員や保育士、介護従事者や障害者福祉に携わる皆様は、思いやりの心と細心の注意をもって、感染拡大防止に全力をあげていただいております。

一方、国や県などの立法、行政機関においては、緊急事態に対応すべく、様々な制度を柔軟に改正し、支援制度を充実させました。多くの国民は政府や自治体の要請に応じて、自粛や制約のある生活を受入れ、命と暮らしを守るために可能な限りの努力を重ねていただいております。そして、保健所の皆様は突如として訪れた感染症の危機に際して、その最前線で過酷な業務を黙々と続けていただいております。

現在、私たちは新型コロナウイルス感染症の第3波のなかにありますが、この緊急事態に冷静に対応することができております。これはひとえに、ただ今、申し上げた方々をはじめ、多くの皆様のご努力とご協力のおかげであり、心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。

しかし、多くの方々の努力にもかかわらず、新型コロナウイルス感染症の収束がいまだ見通せないなかでは、本年も昨年同様に感染拡大防止と緊急対策の徹底、この二つを最優先課題として取り組まなければなりません。感染拡大防止につきましては、いかに医療体制の充実を図るかが喫緊の課題でした。PCR検査を行う医療機関に対しては、狭山市医師会のご協力のもと、独自の支援金制度を創設し、検査、診療体制の確保と充実を図ることができました。また、インフルエンザ予防接種事業、福祉施設などへの衛生用品の配布や感染防止対策の啓発活動、飲食店には「新しい生活様式徹底宣言」事業などを通じて、先を見据えながら対策を講じ、ウイルスの脅威から市民の命を守ることに全力を挙げました。

緊急対策の徹底につきましては、昨年5月の全市民を対象にした特別定額給付金給付事業では、県内の自治体のなかでもトップレベルのスピードで給付を実現しました。経済的な不安に直面している皆様や事業継続の不安を感じている事業者の皆様の気持ちに寄り添いながら、そして何よりスピードを重視して、多くの支援策の迅速な周知と実施を全庁一丸となって取り組みました。「今、やらずしていつやるのか」、この思いとともに職員が流した汗に対して、市内外から本当に多くの激励と感謝の言葉を寄せていただきました。さらには、厳しい状況にもかかわらずマスク、消毒薬などの物品や寄附金を市に届けてくださる方々もいらっしゃいました。議員の皆様には、地域での活動や市民生活を踏まえた最新の情報をもとに議会における審議を通じて、大所高所から貴重なご意見をいただきました。

改めて、昨年を振り返りますと歴史的な困難と試練に直面しましたが、本市においては市民の皆様の善意と勇気と貢献によって感染症に立ち向かい、それぞれの大切な人と地域を思い、お互いを支え合うことができた一年であったと思います。

令和3年度において、私たちに求められているのはこの感染症の脅威を取り除き、一日も早く市民の皆様の日常を取り戻し、再び新しい時代へと力強く歩みを進めていくことです。その為に絆を強めて、団結し、この難局に負けることなく、最大限の力を発揮していくことです。

なお、ワクチンの接種につきましては日々、状況が変化しておりますが、国が示した方針やスケジュールに対して、遅れることがないよう、既に本年1月7日に新型コロナウイルスワクチン接種推進プロジェクトチームを設置し、情報収集に当たらせるとともに、医師会を始め関係機関との調整を行っております。一日も早く、一人でも多くの方に安心して接種を受けていただくことができるよう万全の体制を確保してまいります。

さて、令和3年度予算案につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、歳入歳出両面において必要な見直しを行いました。中長期にわたる影響を見込みながら、選択と集中を行い、同時に困難に直面する方々をしっかりと支えていくことにも配慮した予算案となっております。

それでは、令和3年度に取り組む主な重点施策について、第4次総合計画の後期基本計画で設定する4つの重点テーマに沿って、ご説明を申し上げます。

令和3年度重点施策

テーマ1 若い世代を増やす

総務省の発表によりますと、東京都では昨年7月から6か月連続で転出超過となったとのことであります。これは、コロナ禍において在宅勤務が増えるなか、「密」な都内を避け、東京近郊へ移り住む動きが広がったためと考えられます。この人の流れを本市の人口減少抑制にプラスと捉え、対応しなければなりません。平成29年度から開始した親元同居・近居支援補助制度につきましては、これまで193世帯、597名の若い世代の転入を実現しました。さらに、令和2年度からは若い世代の住宅取得支援補助制度を開始し、既に87世帯の方が利用しております。これらの制度の一層の活用を促進して、若い世代の転入促進と転出抑制を図ってまいります。

全国的にコロナ禍の影響により、結婚を控える動きがあり、本市においても昨年は対前年比10%の減少となりました。このことは将来的に出生率、出生数にも大きな影響を与えかねず、結婚・出産・子育てと、それぞれのステージにおける支援は極めて重要であります。結婚支援につきましては、出会いから結婚まで伴走型の支援を行う、「SAITAMA出会いサポートセンター」の登録者数は、令和2年度から市役所での出張登録を行ったところ、市民の登録者は、令和元年度末より7割増の98名となりました。また、最近多くのメディアに取り上げられましたAIマッチングにより、すでに市民3名を含む74組がご結婚されており、同センターへの登録者数も約5,700名となっております。今後も結婚を希望する方が同センターを積極的に利用していただけるよう、PRに努めてまいります。

また、妊娠・出産につきましては、妊娠期からの切れ目のない支援として相談体制の充実、不妊治療の費用助成といった施策を行っております。令和3年度からは、新たに新生児聴覚スクリーニング検査を開始し、さらに子どもを産み育てることに対する前向きな気持ちを持てるよう、施策を展開してまいります。

子育てにおける支援につきましては、保育所の定員はこの5年間で293名の定数増を図り、待機児童の解消に努めてまいりました。本年4月には、狭山台地区に109名定員の認可保育所が開園する予定であり、さらに、堀兼地区には令和4年4月に新たな認可保育所が開園できるよう支援してまいります。加えて、保育士の宿舎借り上げや保育補助者の雇上げなど民間保育事業者を支援してまいります。

また、0歳児から2歳児の保育料につきましては、多子世帯における経済的負担の軽減を図るため、現在、2分の1の負担としている第3子以降の保育料を令和3年度より無償といたします。

また、入曽地区では、入間中学校跡地に新たな子育て支援拠点施設を整備します。現在、民間事業者の公募を行っており、令和3年度は事業者を選定し、児童や保護者から親しまれ、地域の子育て支援の中心的な役割を果たす施設となるよう事業を進めてまいります。

児童虐待の防止につきましては、関係機関や住民に周知・啓発するとともに、保護者向けの子育て講座を開催するなど、発生予防に努めております。加えて、新型コロナウイルス感染症による長期間の自粛生活が続いているため、家庭内のストレスが高まっていると思われることから、関係機関との連携や見守りをさらに強化してまいります。

次に、学校教育の充実につきましては、小中学校においては、新学習指導要領に基づき、引き続き基礎学力の向上を図るとともに、グローバル化に対応できる素地を養う英語教育と論理的思考力を育成するプログラミング教育の一層の推進を図ってまいります。

また、国が進める「GIGAスクール構想」の実現に向け、令和2年度は児童・生徒向けの一人一台端末の整備が完了します。令和3年度は、オンライン上で双方向型の一斉授業や、一人一人の教育的ニーズや学習状況に応じた個別学習を可能とし、さらには、個人の考えをグループで共有し、オンライン上で共同編集をするなど、子どもたちの創造性を育む学びを実践するための取組みを進めてまいります。
これに関して、小中学校に専門的な知識を有し、授業、校務の支援を行うICT支援員の配置を大幅に拡充してまいります。

また、地域の力を学校運営に生かすための仕組みとして、コミュニティ・スクール制度の導入を推進しています。令和3年度は、既に導入している7校に加え、新たに西中学校区の小中学校4校に同制度を導入し、今後数年をかけて、市内全小中学校に導入してまいります。

学校教育施設の充実につきましては、トイレの洋式化について、令和2年度までにすべての小学校で改修工事を実施いたしました。児童、保護者、教職員からは大変、喜ばれております。令和3年度は、6校の小学校教職員用トイレと中学校4校の生徒及び教職員用トイレの改修工事を完了させ、令和4年度にはすべての中学校で完了できるよう努めてまいります。

次に、学校の規模と配置の適正化につきましては、新型コロナウイルス感染症の状況や今後の学校運営、学校施設の在り方などの国の審議の動向を注視しつつ、入曽地区において小学校の規模と配置の適正化に向けた協議を開始いたします。

次に、学童保育室につきましては、新狭山小学童保育室を増築し、新たに30名の定員を確保するとともに、その他の待機児童が生じている学童保育室につきましては、余裕教室の活用や施設の増築等を検討し、待機児童の解消に向けて取り組んでまいります。

また、生活困窮者世帯の学習支援事業につきましては、引き続き、小学生、中学生、高校生を対象に実施してまいります。なお、小学生向け学習支援事業、通称ジュニアアスポート事業は、令和2年度をもって県の事業が終了することから、令和3年度からは、市の事業として実施してまいります。

なお、就学援助事業や奨学金貸与事業につきましては、コロナ禍の状況を踏まえ、柔軟に対応してまいります。

テーマ2 まちと産業に活力を

コロナ禍における市内企業への影響は、深刻なものがありました。しかしながら、今日では需要の回復とともに業績の改善が図られている企業も見受けられます。

本市に進出する多くの企業が将来の展望を描けるよう、関係機関と連携しながら、市としても最大限の支援に取り組むと同時に、本市の発展の礎となる都市基盤の整備や、まちづくりに鋭意取り組んでまいります。また、変化が著しい経済状況において、商工会議所や金融機関をはじめ各種団体とより一層連携を図り、新型コロナウイルス感染症の影響を最小限にとどめることができるよう、必要な支援を行ってまいります。

本市への企業の進出意欲は、依然として旺盛であります。特に圏央道狭山日高インターチェンジ付近の風景は数年前と大きく変わり、狭山工業団地拡張地区では、令和3年度又は4年度の操業開始を目指し、進出した企業による施設建築工事が始まっています。

大きく変化する産業構造のなかで、各企業が直面する課題は脱炭素と経済の両立、AIやIoT、ビックデータに代表される第4次産業革命への対応、働き方改革、生産性の向上など多岐にわたります。

時代の変化に対応し、さらなる飛躍を目指す多くの企業を誘致すべく、圏央道狭山日高インターチェンジ周辺地域などの都市計画法第34条第12号指定区域や中心市街地に近接する入間川地区をはじめとする土地利用転換構想地区において、埼玉県の田園都市産業ゾーン基本方針などの手法を活用し、事業用地の確保に向けて取り組んでまいります。

また、新たに事業所の新設や拡張等を行う企業に対しては、引き続き、企業立地奨励金制度などにより支援を行い、雇用の創出、税収の確保につなげてまいります。

次に、雇用の促進と勤労者福祉の充実につきましては、本市における令和2年12月の有効求人倍率は0.79倍で、前年同月の1.24倍を大きく下回っております。その一方で、人手不足となっている業種もあることから、ハローワーク所沢や埼玉県と連携しながら、求職者と求人者のマッチングに取り組んでまいります。

昨年の緊急事態宣言発令以降、本市における事業所の9割以上を占める中小企業や小規模事業者への支援は、緊急性を要するものでありました。これに関し本市では、国や県による支援制度のほか、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した独自の事業者応援金等による支援や、緊急特別資金融資における融資額の上限を3,000万円まで引き上げるなど資金面での支援を行ってまいりました。また、運転資金等で課題のある事業者や収入が減少した労働者に寄り添うべく、各種助成金等の申請手続におけるサポートや相談を丁寧に行ってまいりました。引き続き、雇用調整助成金及び新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金等の各種支援制度については、より多くの方が活用し、不安を解消できるよう、商工会議所や金融機関などと連携し、制度の周知や申請手続きについて支援してまいります。

また、狭山市ビジネスサポートセンター、Saya-Bizは、コロナ禍において事業者の支援に大きな力を発揮し続けております。これまでの相談件数は本年1月末現在、約2,300件にのぼり、相談内容といたしましては、デジタル化への対応や新商品の開発、創業の相談など様々な分野に及んでおります。本年2月16日からは新たなプロジェクトマネージャーが就任し、また3月1日からは金融機関からの研修生も受け入れ、一層の体制強化を図ることで、引き続き市内の事業者のニーズを踏まえたサポートを全力で行ってまいります。

次に、農業の活性化につきましては、首都圏の市場で高く評価されている里芋について、昨年10月にJAいるま野の「さといも選果場」が稼働し、出荷の省力化と出荷物の高位標準化を図ることができました。利用者からも「出荷に要する作業時間が従来の3分の1程度に短縮された」などの声が寄せられており、施設に対する評価は非常に高いものがあります。また、出荷の省力化が図られたことにより、作付面積の拡大につながることも期待され、本市自慢のブランド野菜としての優位性をさらに高めてまいりたいと考えております。

また、里芋以外にも、ほうれん草や枝豆などの高品質でおいしい狭山の農産物を広くPRし、今後も農業が市の基幹産業として成長を続け、意欲のある農家が魅力ある元気な農業を実践していけるよう、農業用機械の導入や畑地かんがい施設の更新について引き続き支援してまいります。

また、農業インフラの整備としては、上奥富地区内の農業用水のゲートについて改修工事を実施するなど、農業経営に必要な農業基盤施設を維持できるよう取り組んでまいります。

なお、農業の担い手の確保といたしましては、新規就農を目指す研修生に対して、国の補助制度を積極的に活用するなど、関係機関とも連携しながら本市での着実な就農に向けた支援を行うほか、個人や法人による農業への新規参入についても、就農相談等を継続して実施し、新たに農業に挑戦する人に選ばれる地域となるよう、取り組んでまいります。

狭山茶につきましては、引き続き、消費拡大に向けて取り組むとともに、多様化する消費者ニーズに対応するため、お茶を活用した商品の開発や新たなお茶の楽しみ方の提案などについて、企業や大学、商工会議所と連携し、狭山茶のさらなる魅力の発信と振興に努めてまいります。

次に、商業の活性化につきましては、新狭山北口商店会では、コロナ禍においても、地域の若い経営者が積極的に参画し、埼玉県のNEXT商店街プロジェクト事業を実施したことにより、シンサヤママーケットなどの新たな事業が生まれていることから、こうしたイベント等の支援活動を通じて、商業の活性化につなげてまいります。

また、入間川河川敷に賑わいの創出を図るための入間川とことん活用プロジェクト事業につきましては、いよいよ3月5日に河川敷中央公園内に民間の飲食施設がオープンします。また、大型複合遊具や幼児向け遊具も整備が完了します。公園の愛称も「入間川にこにこテラス」に決まり、多くの市民の皆様が狭山らしさを感じながら、ゆったりと時を過ごすことができる素晴らしいエリアとなります。今後は、このエリアを活用して感染対策に十分配慮したイベント等を実施してまいります。また、公園の維持管理につきましては、新たに自動芝刈機を導入し、維持管理費の削減と良好な環境の維持を図ってまいります。

次に、都市基盤整備につきましては、入曽駅周辺整備事業について、市民の皆様の期待に応えるべく取り組み、令和2年度に土地区画整理事業の仮換地の指定を行い、一部公共施設の工事に着手したところであります。令和3年度は、土地区画整理事業区域内における地権者と建物移転補償契約を結び、本格的に公共施設の工事を実施いたします。また、東西自由通路と橋上駅舎の整備については、鉄道事業者と締結した基本協定に基づき、実施設計を行います。また、民間商業施設の誘致については、事業者の募集と選定を行い、事業全体が目に見える形で進めてまいります。

次に、都市計画道路の整備につきましては、狭山市駅加佐志線の用地取得を進めるとともに、道路整備の課題となる排水経路の確保のため、雨水管築造工事及び道路改良工事を進めてまいります。また、笹井柏原線の整備につきましては、8割以上が完了している用地取得をさらに進め、令和4年度の供用開始に向けて雨水管築造工事及び道路改良工事を進めてまいります。

次に、一般市道につきましては、舗装の老朽化等により維持管理に多額の費用を必要とすることから、予防保全型の管理手法を基本に、長寿命化を進めてまいります。

次に、雨水対策につきましては、東三ツ木地内において発生している道路冠水について対策工事を進めてまいります。また、河川の氾濫を防ぐために、埼玉県が進めている不老川の改修事業については、用地取得はほぼ完了し、工事も約6割程度の進捗率となっております。引き続き、流域の市町と連携しながら積極的に支援してまいります。また、河川や水路の負担を軽減させるために、雨水貯留施設や浸透施設の普及促進と意識啓発により、河川への雨水流出抑制を進めてまいります。

次に、水道事業につきましては、鵜ノ木浄水場の耐震改修をはじめとして、施設の計画的な更新や耐震化を進めるとともに、水道水の安全かつ安定した供給に支障が生じないように、給水体制の確保と経営基盤の強化に努めてまいります。

また、下水道事業につきましては、引き続き、市街化調整区域第4期整備事業として、汚水管の整備を推進するとともに、雨水対策として、入曽駅周辺整備事業と連携し、市街地における雨水管の整備を推進してまいります。さらには、老朽化した施設の機能を持続的に維持するため、計画的な更新や耐震化を進めてまいります。

テーマ3 楽しめる健康高齢社会を

昨年はすべての年齢層において、新型コロナウイルス感染症から自らの命と健康をいかに守るかが問われました。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方は重症化しやすく、また、軽症者でも様々な後遺症に悩まされている方もおられます。引き続き、医療、介護、保健衛生その他の関係機関と連携して、市民の皆様の命と健康、そして暮らしを守ることを最重点課題として捉え、各種事業を推進してまいります。

福祉の総合的な推進につきましては、トータルサポート推進室を中心に、第4期地域福祉計画に基づき、庁内関係各課、相談支援機関及び地域の方々と連携し、世帯の問題を解決する包括的な相談支援を進めてまいります。

また、住居確保給付金支給事業につきましては、国の方針を踏まえ、適切に給付できるよう、引き続き取り組んでまいります。

また、地域包括ケアの推進につきましては、令和3年度からの第8期高齢者福祉計画・介護保険事業計画に基づき、医療・介護・介護予防・生活支援などのサービスを一体的に提供する地域包括ケアシステムのさらなる深化を目指します。生活支援体制整備事業の各地域の拠点整備により、各地域のニーズを捉え、必要なサービスの創出や地域住民主体の生活支援等の活動を広める施策に取り組んでまいります。

また、障害者が地域で安心して生活を続けていくために、新たに、地域生活支援拠点等事業として、介護者等に緊急事態が起きた時の相談先や緊急時の障害者の受け入れ先の確保に取り組んでまいります。

また、判断能力が十分でない方の権利や利益を守るため、成年後見制度の相談体制の充実を図ってまいります。

次に、公共交通の確保につきましては、既存の鉄道やバス、タクシー事業者とも連携し、地域の特性に応じた利便性が高いデマンドバスの導入を推進してまいります。

次に、交通安全対策につきましては、高齢運転者が関係する事故を防ぐために、昨年7月から、運転免許証の自主返納を促進する施策と、ペダルの踏み間違いによる急加速を抑制する「安全運転支援装置」の設置費用助成を開始したところであります。本年1月末までに、運転免許証の自主返納者429名、安全運転支援装置の設置者56名に対してそれぞれ助成を行いました。引き続き、これらの事業を実施することで、交通事故のない安全・安心なまちづくりを推進してまいります。

また、交通安全施設の整備につきましては、環境への負荷の低減と財政負担の平準化に資するため、民間事業者の資金とノウハウを活用し、安全と品質を確保した維持管理体制を構築しながら、ESCO事業による道路照明灯のLED化を進めてまいります。

さらに、楽しめる健康高齢社会をつくるためには、生涯学習、生涯スポーツ、文化の振興にも取り組む必要があります。この点につきましては、緊急事態宣言下において公共施設の利用制限、休館等をやむを得ず行うこととなり、利用団体の活動や市の事業も予定通りの実施が困難となりました。現在、二度目の緊急事態宣言が発令されており、引き続き、公共施設の利用を制限しております。宣言解除後は感染症の動向を注視し、感染症対策を十分にとりながら、段階的に利用を再開できるよう、準備してまいります。なお、昨年一年間の施設の利用状況や施設の管理運営における費用対効果、代替施設の有無といった観点から、一部の施設では当面、再開を見合わせてまいります。

公民館では、地域の学習ニーズや社会の要請に応えた各種講座を動画配信サービス等の新たな手法を取り入れて実施してまいります。コロナ禍にあっても、学びにより培った成果を学校の支援や地域のまちづくりなどに活かせるよう、引き続き取り組んでまいります。

図書館につきましては、図書や視聴覚資料の収集及び資料相談業務の充実を図るとともに、除菌の強化や本の取り置きに加え、さらに貸出し業務においては接触の機会を減らす取り組みを行うなど、学習環境の充実を図ってまいります。また、中央図書館の屋上防水改修工事を実施してまいります。

博物館につきましては、所蔵する資料を活かしながら郷土の歴史を学ぶことができる動画の配信など、子どもから大人まで楽しみながら学べるプログラムの充実に取り組んでまいります。

次に、生涯スポーツの推進につきましては、本年はオリンピックイヤーであり、スポーツに対する興味や注目が高まってくることが期待されます。昨年はホンダ硬式野球部が都市対抗野球大会で狭山市代表として見事に優勝し、ちふれASエルフェン埼玉は、本年9月に開幕予定の日本女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」に参戦することも決定しました。こうした企業スポーツの力もお借りしながら、感染症対策を講じて、スポーツに親しむ環境づくりに努めてまいります。

なお、武道館については、令和4年度の供用開始に向けて、引き続き、整備工事を実施してまいります。

次に、文化の振興につきましては、市民の自主的な文化活動を引き続き支援するとともに、本市ゆかりの文化人や狭山の伝統行事などを紹介する「郷土かるた」を制作し、遊びを通じて本市の文化や伝統を継承してまいります。

テーマ4 市政運営をみんなの力で

本年1月から防災行政無線によって、新成人、自治会、医療従事者、子どもたちに新型コロナウイルス感染防止の呼びかけを行っていただいております。従来は情報や施策の受け手であった皆様が、自ら発信者となり、大きな目標のためにともに汗を流していただいていることは本当に心強く、感謝しております。昨年より、「コロナに負けない」を合言葉に取り組んでまいりましたが、本年も協働の精神をもって、みんなの力を一つにして、必ず「コロナに打ち克つ」ことができるよう、各種事業に全力で取り組んでまいります。

本年7月には、東京2020オリンピック競技大会の開催が予定されております。実施に向けては、多くの課題が指摘されております。本市は、ゴルフ競技の開催会場市として、また聖火リレーのルートとしても選定され、これまで、市民、事業者の皆様とともに準備を進めてまいりました。引き続き、オリンピックの開催に関する最新の情報を注視しながら、必要な準備を行ってまいります。

次に、防災対策につきましては、市民総合体育館内に防災用品を備蓄する機能を追加するほか、地域の防災力の向上を図るため、地区防災計画の策定を支援してまいります。避難所につきましては、感染症に配慮した適切な運営を行うことができるよう、訓練を重ねてまいります。
また、市民の皆様が水害の危険性や避難の方法を理解し、適切な避難行動ができるように、入間川と不老川については、県の洪水浸水想定区域図に基づきハザードマップを作成し、防災講座などの機会を捉えて周知してまいります。

また、本年11月7日、第42回九都県市合同防災訓練が本市の上奥富運動公園を会場として開催されます。埼玉県、埼玉西部消防組合、航空自衛隊入間基地などの関係機関や自治会などと連携して実施し、地域防災力の強化に努めてまいります。

また、消防団につきましては、第4分団第2部の消防ポンプ自動車を更新するとともに、災害時の初動体制の強化を図るため第4分団組織の再編と施設等の整備を進めてまいります。

次に、防犯対策につきましては、市内における刑法犯の認知件数は減少傾向にあるものの、特殊詐欺による被害額が前年に比べて大幅に増えております。特に高齢者の被害の撲滅に向けて、引き続き、各種広報媒体を通じた注意喚起を行うとともに、警察はもとより、自治会、地域の防犯団体、事業所等との連携を強化してまいります。

次に、情報の発信につきましては、広報さやまや公式ホームページをはじめ、様々な情報媒体を活用し、市政や地域に関する情報をより分かりやすく伝えてまいります。特に、新型コロナウイルスやワクチン接種に関する情報につきましては、市民の関心も高く、また、日々新たな情報が提供されていることから、迅速な情報発信に努めてまいります。また、災害時に必要な情報についても、最新情報を狭山市公式ホームページに掲載するとともに、リアルタイムでプッシュ通知できる狭山市公式ツイッターや、LINE公式アカウント、メール配信サービスで迅速かつ的確に発信してまいります。

次に、人権尊重意識の高揚につきましては、あらゆる人権が尊重される地域社会の実現を目指し、新型コロナウイルスの感染者やその家族等への誹謗中傷やいじめ、差別的な対応などの新たな差別にも留意しつつ、引き続き、啓発活動に取り組んでまいります。

次に、効率的・効果的な行政運営の推進につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により浮き彫りとなった課題に対処するため、行財政改革に取り組んでまいります。

ふるさと納税につきましては、令和2年度においては、新型コロナウイルスの影響により、航空祭に関連する観覧席などの返礼品がなくなるなどマイナスの要因もありましたが、新たな返礼品の充実を図ったことで、すでに令和元年度を超える寄附金額となっております。今後も、さらに多くの方々に本市を応援していただけるよう、様々な資源を生かしながら、ふるさと納税制度を最大限活用してまいります。


さらに、個人のみならず、法人版のふるさと納税である「企業版ふるさと納税」につきましても、金融機関と提携し推進してまいります。
事務の効率化と働き方改革につきましては、自治体デジタルトランスフォーメーションに取り組み、スマート自治体への転換を推進することにより、人的資源を行政サービスのさらなる向上につなげていくことが求められています。そのため、令和2年度から会議録の作成時間を大幅に短縮するAI音声認識議事録作成システムを導入し、また、単純な入力作業を自動化するRPAの活用を進めており、これらの対象業務を広げてまいります。

また、令和2年度から実証実験を行っているテレワークシステムにおいて、在宅勤務の効果を検証し、本格導入を目指してまいります。

電子納税、電子決済の活用につきましては、水道料金及び下水道使用料については平成31年4月から、市税については令和3年2月から、それぞれキャッシュレス決済を導入し、スマートフォンから納付できるようになっており、今後も市民の利便性の向上とともに、市税等の安定確保に努めてまいります。

マイナンバーカードにつきましては、スマート自治体を推進するための基盤となることから、広く市民に周知することで取得を促してまいります。

さらに、市民の手続きの簡素化を図るため、既に不要な押印の廃止を進めており、この取り組みをさらに推進するためのガイドラインを策定いたします。また、紙使用量の20パーセント削減を目指し、会議資料や報告書等冊子類のペーパーレス化を図ってまいります。
次に、行政組織につきましては、入曽駅周辺整備事業に関し、さらなる体制の強化を図るため、入曽駅周辺整備担当課長を配置いたします。また、令和2年度は、特別定額給付金の給付に係る業務について、部や課の組織を超えた職員の協力体制を作って一丸となって対処したほか、直近では、新型コロナウイルスワクチン接種推進プロジェクトチームを設置いたしました。今後も緊急性を要する事務に柔軟かつ迅速に対応してまいります。

次に、公共施設等につきましては、公共施設再編計画に基づき、施設の再編と総量の削減に向けて検討するとともに、施設の改修や解体除却を進めてまいります。公共施設の管理については、公共建築物点検マニュアルに沿った統一的な視点で点検を行い、適切な管理運営に努めてまいります。

次に、第4次狭山市総合計画につきましては、令和3年度から5年間を計画期間とする後期基本計画と第2期狭山市まち・ひと・しごと創生総合戦略を一体のものとして策定していることから、これに基づき、着実に施策の実現に取り組んでまいります。

また、SDGsにつきましては、後期基本計画における各施策とSDGsの関係性を示し、連動する形で達成に向けて取り組んでまいります。

次に、環境保全につきましては、近年、地球温暖化による影響は極めて深刻なものとなっています。私たちが将来へ、豊かな自然環境をしっかりと引き継いでいくためにも、これまで以上に環境の保全に取り組むことが求められています。

国において、2050年までに二酸化炭素の排出量実質ゼロを目指す方針が打ち出されたことを受け、近隣市を含む5市により構成する埼玉県西部地域まちづくり協議会では、本年2月15日、ゼロカーボンシティを共同宣言いたしました。構成市がそれぞれの取組みを進めるとともに、各市が持つ強みを互いに生かしながら、圏域全体で脱炭素社会の実現に向けて、省エネルギー化を推進するとともに、再生可能エネルギーの利用・促進を図り、また、圏域内の豊かな森林の整備・保全及び活用に取り組んでまいります。

これに関して、ゼロカーボンシティの実現に向けた施策などを具体的に位置づけた第3次環境基本計画の策定に取り組んでまいります。

また、これまで本市で実施してきた住宅用省エネルギーシステム設置補助制度をクリーンエネルギー推進補助制度に改め、新たに電気自動車と燃料電池自動車の購入者にも助成の範囲を拡大し、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでまいります。

また、平成28年6月に市議会からいただきました「さらなる環境対策車への更新と普及を促進する決議」を踏まえ、環境対策車として電気自動車を導入いたします。

次に、さらなる循環型社会を目指し、令和4年度から10年間を計画期間とする狭山市一般廃棄物処理基本計画の策定に取り組んでまいります。

次に食品ロスの削減につきましては、2030年度までに2000年度比で半減させることを目標とする国の「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」を踏まえ、引き続き、家庭や事業所がそれぞれの立場で取り組む食品ロス削減を推進してまいります。

また、令和2年度より開始したごみ分別アプリ等の活用を促進し、雑紙やプラスチックなどの分別の啓発に取り組むとともに、ごみの減量と資源化を推進してまいります。

次に、埼玉県西部地域まちづくり協議会につきましては、それぞれの市が持つ資源を生かし、ともに広域行政をさらに進めるために、引き続き、圏域の特性や資源を生かした魅力と活力のある持続可能なまちづくりに取り組んでまいります。

令和3年度予算概要

次に、以上申し上げました重点施策を盛り込んだ令和3年度予算案について、その概要を申し上げます。

まず、歳入予算につきましては、歳入の根幹をなす市税に関しましては、コロナ禍における経済活動の停滞を踏まえ、減収を見込んだことにより、前年度より減額となっております。

地方譲与税及び利子割交付金などの各種交付金や地方交付税につきましては、令和元年度決算や令和2年度の交付見込みなどを勘案して計上したものであります。なお、地方消費税交付金につきましては、消費の落込みによる影響を考慮し、前年度より減額としたものであります。

国庫支出金につきましては、新型コロナウイルスワクチン接種事業に関する補助金の増などを見込んだことにより、前年度より増額となったものであり、また、県支出金につきましては、令和3年度に実施が見込まれる衆議院議員選挙委託金の皆増などにより、前年度より増額となったものであります。

繰入金につきましては、財政調整基金をはじめ、各目的基金から必要に応じて繰入れを行ったものであります。

市債につきましては、旧東中学校や旧入間中学校の解体事業債などの減により、前年度より減額としたものであります。

次に、歳出予算につきましては、コロナ禍における経済活動の停滞に伴う税収の減等を考慮した予算編成となっております。新しい生活様式や自治体デジタルトランスフォーメーションに対応する一方で、事業の選択と集中を図り、只今申し上げました重点施策を中心に、予算配分を行ったものであります。

この結果、一般会計の予算額は、前年度対比2.0%減の472億5,200万円となりました。また、特別会計は、介護保険特別会計について、第8期高齢者福祉計画・介護保険事業計画に基づく介護保険給付費及び地域支援事業費の見直しにより、約10億2,285万7千円の減額となったことから、特別会計全体の予算額は、前年度対比3.0%減の293億6,608万4千円となり、さらに、公営企業会計の予算額93億2,798万9千円を加えた全会計の予算額は、前年度対比2.5%減の859億4,607万3千円となったものであります。

結びに

以上、令和3年度予算案の編成にあたりましての基本的な考え方と重点施策について申し上げました。

間もなくすると、あの東日本大震災から十年という節目を迎えます。千年に一度と言われた東日本大震災では人と人の「絆」こそが命と生活を守り、希望を見出すものとなりました。しかしながら、今回の新型コロナウイルスは人の「絆」こそが感染を拡大させ、社会を脅威に直面させる原因となり、その結果「絆」を断ち切っていきます。

今、再び「絆」が試されています。私たちはこの困難の中で、これまで築いてきた絆が大切だからこそ、相手との距離を置き、感染防止を徹底しなくてはなりません。このことは確実に感染者数を減らしていくことにつながります。

企業や団体、地域などの共同体は大切な仲間たちをウイルスから遠ざける強い意志と手段を持たなくてはなりません。このことは一日も早く、社会を正常化させることにつながります。

そして、このウイルスと闘っているすべての人々に感謝すること。このことは、誰かの命と健康を守り、かつてない試練に直面している私たちの社会と絆を守ることにつながります。

私たちはコロナには決して負けません。命と健康の危機から15万市民を確実に守り、社会を再び安定させるために全力を尽くしてまいります。そして、コロナが突き付けた課題を直視し、決して立ち止まることなく、市として、先を見据えた変革を起こしていくことが重要です。この危機が終わる時、それは新しい時代に対応した狭山市の新たなスタートとなります。その日が一日も早く訪れるよう、希望をもって取り組んでまいります。

今年は丑年となりますが、奇しくもその年に「牛」に語源を持つワクチン接種が大きな鍵となります。「今」と「未来」を守るために、皆様のご理解とご協力を心からお願いし、本年も本市の発展のために全力で市政運営に取り組むことを申し上げまして、施政方針とさせていただきます。

このページに関するお問い合わせは
総合政策部 財政課

狭山市入間川1丁目23番5号

電話:04-2953-1111

FAX:04-2954-6262

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