所沢税務署管内 税務連絡協議会会長賞

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更新日:2023年12月5日

伝統や文化をつなぐために

秋草学園高等学校 二年 山口 瑞恵

先日、東京国立科学博物館が資金難によりクラウドファンディングを呼びかけたところ、開始から数時間で目標額一億円を達成したというニュースが話題になった。「国立」という名のついた施設であるのに、なぜ民間から寄付を募ったのだろうか。私はとても疑問に思った。
調べたところ国からの運営費交付金は年々減少しており、主要六か国(フランス・韓国・ドイツ・イギリス・アメリカ・日本)の中でも文化政策の支出が目立って少ないことが分かった。これは国会予算に占める割合ではアメリカに次ぐ低さだ。
そのような状況の中、動植物の標本や、化石、鉱物、科学技術史の資料を維持、管理するための人員や空調などに多くの費用がかかる。特に最近の光熱費の高騰が大きな要因となっているようだ。標本の状態の劣化につながるため、一年を通して適切な温度や湿度を保たなければならない。電気代はエネルギー価格高騰の影響を受けて前の年から一・五倍ほどに上昇しているとのことである。
これに対して博物館の担当者は、たびたび予算の増額の要望をし、現状を訴えたが、国の財政状況も厳しいことを理由に断られてしまった。
近くにある東京国立博物館も同じような問題に直面している。文化財を保管するための光熱費の高騰に加え、修理費も潤沢ではなく、修理待ちの所蔵品も多く存在する。修理プロジェクトとして、この博物館が所蔵する、多くの人々に知られている二つの作品の修理を寄付によって行った。
例に挙げた二つの博物館は規模の大きなものだが、地方にある小さな施設も含め、大多数が同じような状況に苦しんでいると考えられる。博物館に所蔵されているものはすべて貴重なものであり人類の宝である。これらを守っている施設の役割をもっと重視してほしい。私たちの日々の生活を安定させてくれているのも税金である。それだけでなく、知識や教養に触れることで私たちの心を豊かにしてくれるのも税金の役割だと思う。形としては見えにくいが、これも税金の大切な使い方の一つである。

このページに関するお問い合わせは
総務部 市民税課

狭山市入間川1丁目23番5号

電話:04-2937-5073

FAX:04-2954-6262

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