公営企業

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更新日:2011年3月1日

 平成23年4月1日から公共下水道事業に地方公営企業法を適用し、これまでの官公庁会計方式(単式簿記)から企業会計方式(複式簿記)に移行します。
 これにより、管理運営に係る経理と建設に係る経理が区分されるため、経営状態や財政状況を明確に把握することが可能となります。また、当市の下水道事業は汚水整備の人口普及率が92.9%に達しており、「建設の時代」を経て「維持管理の時代」へと変化していく中、施設の維持管理や老朽化に伴う更新事業等を計画的に行っていくなど、安定した経営を目指してまいります。併せて、水道事業と組織を統合し、一体的に管理することにより、更なる市民サービスの向上と経営の効率化を図ってまいります。なお、企業会計は水道および下水道の事業ごとになります。

公営企業とは

 地方公共団体が経営する企業の総称です。
企業の能率的な経営を図るため、地方公共団体の内部において特別の経営組織を設けて、その組織、財務、職員の身分の取扱い等について、地方自治法、地方財政法及び地方公務員法の特例を定めた「地方公営企業法」が適用されます。
会計については、一般会計から切り離され企業会計原則に基づき、一般会計等で負担すべき経費以外は独立採算制を原則としています。

なぜ、地方公営企業法を適用するのか

 下水道は、その機能を途切れなく継続して経営しなければならない特殊性を持つ生活及び経済社会活動に不可欠な重要基盤施設でありますが、下水道事業は、先行投資型事業で建設期間も長期にわたるなど地方公共団体の財政運営に多大な影響を与える恐れがあり、下水道事業の経営基盤を強化し、長期的に安定した経営を持続するためには、経営の健全性や計画性・透明性の向上を図ることが求められています。
 法適化の意義は、企業会計方式の経理を行うことにより、経費負担の原則が明確に示され、収入、コスト資金調達状況等が適切に区分して表示される財務諸表等を通して、経営状況を理解しやすくできることです。
 現在の官公庁会計方式は、現金の収入・支出という事実に基づいて記録する現金主義会計のため、今年度いくら使ったかの消費額を示し、その支出金額が、将来の市民の経済的便益につながるものか判別できません。したがって、業績評価、意思決定に役立つ情報の提供、資産負債を含めた経済資源の受託責任と説明責任を果たすためには、地方公営企業法の適用が必要になっています。

企業会計方式を導入するとどのような効果があるのか

企業会計方式を導入することによる経営状況の明確化

  • 管理運営に係る経理(損益取引)と建設に係る経理(資本取引)が分離されるため、経営内容や資産など財政状況が明確になります。
  • 発生主義の経理による期間損益計算の導入により、損益計算や原価計算が適正に行われることで正確なコストが算定されます。
  • 複式簿記の採用によって、資産、負債および資本の状況が総合的に表示されるため、企業としての経営体質が明確になります。
  • 下水道事業の財政状況等について、議会や市民に対して有効な情報公開が可能となります。

職員の経営意識の向上
独立採算の原則が徹底されることにより、経営状況が詳しく見えることで、コスト削減の目標設定や中長期的な収支計画がしやすくなるため、必然的にコストを意識するようになり、職員の経営意識や原価意識が向上します。

資産の維持管理
施設などの資産は、時間の経過とともに価値は減少(老朽化)していきますが、その価値の減少分を減価償却費という費用(非現金化支出)として計上することにより、留保財源の確保が図られ、将来の修繕・更新時期の把握や計画の策定等を可能とする利点があります。

経営の弾力化
地方公営企業法に定める弾力条項により、状況に合わせた機動性・柔軟性のある経営が可能となります。

官公庁会計方式と企業会計方式の違いは

 会計方式には、「単式簿記・現金主義会計」と「複式簿記・発生主義会計」があります。
現行の地方自治法による一般会計及び特別会計(公営企業会計は除く)の会計処理は、単式簿記・現金主義会計という方式で行われています。
 「単式簿記」とは、1つの取引について、1つの科目のみを把握し、その増減を記帳するもので、「現金主義」とは、現金の収入・支出という事実に基づいて記録することです。つまり、「現金」という1つの科目の収支のみを記帳する会計方式のことをいいます。したがって、歳出および歳入が単年度主義であり、次年度以降に繰り越さない方式になります。
ご家庭で利用されている家計簿と基本的に同じです。

企業会計は、複式簿記・発生主義会計という方式で行われています。

 「複式簿記」とは、1つの取引について、それを原因と結果の両方から捉え、二面的に記録していくことにより、現金、土地、建物などすべての資産の動きや損益を把握することができます。「発生主義」とは、現金の収支にかかわらず、債権・債務が発生した時点で費用や収益、あるいは未払金や未収金として記帳する方式です。赤字および黒字を次年度に繰り越していく関係上、事業体の経営状況に応じて建設・維持管理を実施していくものです。

水道事業と組織を統合することで何が変わるのか

  • 水道事業と下水道事業に共通する部門(経理・契約・料金・庶務)等を統合し、組織を簡素化することで、情報の共有化が図られ、企業性を発揮した事業運営をすることができます。
  • 上下水道の料金、給水、下水道排水設備等の受付・相談・問い合わせに迅速に対応できる体制にすることにより、利便性が向上します。
     ※会計については、地方公営企業法第17条の規定により1事業1会計という原則があり、同法施行令第8条の4の規定による例外に当たらないため会計は別に設置することになります。

このページに関するお問い合わせは
上下水道部 経営課

狭山市入間川1丁目23番5号

電話:04-2968-6264

FAX:04-2954-6262

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