令和5年度市長施政方針

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更新日:2023年2月22日

はじめに

令和5年度の市政運営に臨む基本的な考え方と主要な施策について申し上げます。

我が国をはじめ、全世界に大きな影響を与えた新型コロナウイルス感染症の状況は、依然として収束しないものの、社会全体が抱いていた危機的と思われる事態からは、ようやく脱却しつつあります。政府においても、感染症の分類を、本年5月に季節性インフルエンザと同等の「5類」に移行することを決定しました。

今、心に浮かぶのは、春の訪れと共に私たちの日常を取り戻すことができるという喜びと期待、そして、この3年間、日常を守るべく奮闘された方々への感謝の念です。とりわけ、命と健康を守り続けた医療、保健衛生に関わる皆さん、それぞれの事業を継続し、雇用や経済を守った事業者の皆さん、教育、保育、介護、福祉の現場で社会を支え続けた皆さん、そして、市民の皆さんは感染拡大防止と同時にこれまで大切に育まれた地域の絆を守ってくださいました。

また、緊急を要する多くの事業の実現に向けて必死に取り組んだ国や埼玉県の関係者、そして、県内トップレベルとも言える対応を行った本市の職員、さらには、速やかな審議を通じてご理解をいただいた市議会の皆様、本当に大勢の方に特段のご協力をいただきました。心から感謝を申し上げます。

さて、私たちは大きな時代の変化の中にいます。昨年2月に、突然始まったロシアによるウクライナ侵攻は、まさに第二次世界大戦後に構築された世界の秩序やルールの変更を迫るものでした。国際情勢の変化は、私たちの産業基盤に大きな影響を与え、サプライチェーンの再編はもちろんのこと、我が国の安全保障政策にも影響を及ぼしています。

市民生活においては、エネルギー価格の急激な上昇は、電気、ガス等をはじめ、生活に必要なあらゆるモノやサービスの価格に影響を及ぼし、デフレからインフレの時代へと経済の方向性を大きく変えています。

また、今後、一層進んでいく少子化と高齢化は、社会保障制度の在り方について見直しを問うものであり、さらには労働力の減少、働き方改革、生産性の問題など、社会全体の持続可能性が問われる要因となっています。

コロナ禍で顕著となった課題はあまりにも多くありましたが、この感染症克服のために費やした3年間というトンネルの先には、より複雑で多くの課題が私たちを待ち受けていました。しかし、私たちはこのことに真摯に向き合っていきます。今、直面している課題を解決することこそが、社会を前向きに、そして豊かにすることだと信じて、これまで以上に力強く歩んでまいります。

既にご承知のとおり、私たちはコロナ禍という逆風の中でも歩みを止めることは決してありませんでした。今できること、やらなければならないことに目を向け、力を合わせ続けました。人口については、令和3年、4年とも、平成5年以来、約30年ぶりの大幅な社会増となりました。産業分野では、狭山工業団地拡張地区において、新たな企業が操業を開始し、これからの時代をリードする企業も活躍をしております。また、狭山市ビジネスサポートセンターでは、中小企業の可能性と意欲を引き出し続けています。

入曽駅周辺整備事業については、目に見える形で事業が進捗しています。いよいよ新しい時代にふさわしいまちの拠点作りがスタートします。また、本市の主要なイベントや各地区の行事なども再開し、今後は一層の賑わいが戻ることは間違いありません。

皆さん、私たちは蓄えていた力を発揮すべき時を迎えました。逆風を追い風に変え、新しい社会に向けて、揺るぎない力で取り組む時が来たのです。
令和5年度の予算案につきましては、ポストコロナの新しい時代において、本市が持つポテンシャルがより発揮されるよう取り組み、市民の皆様の期待に応えることを念頭に編成したものであります。

それでは、令和5年度に取り組む主な重点施策について、新型コロナウイルス感染症及び物価高騰対策、そして、第4次総合計画の後期基本計画で掲げる4つの重点テーマに沿ってご説明を申し上げます。

新型コロナウイルス対策

はじめに、新型コロナウイルス感染症対策につきましては、引き続き、埼玉県や保健所、医療機関等と連携し、感染防止対策や医療体制の確保に努めてまいります。また、国や県においては、これまで行ってきた各種対策の見直しを図っており、こうした動きを注視しながら、柔軟かつ適切に対応してまいります。また、ワクチン接種につきましては、国の方針に沿って接種体制を確保してまいります。

また、物価高騰対策につきましては、光熱水費や物価の高騰が市民生活に与える影響を注視し、国が行う経済対策等を踏まえながら、適宜、対策を講じてまいります。

令和5年度重点施策

テーマ1 若い世代を増やす

本市に転入する世帯は、30代以下の若い世代が全体の7割以上を占めています。また、昨年末には、日本経済新聞社の調査「共働き子育てしやすい街ランキング2022」で埼玉県内第一位との評価をいただきました。コロナ禍で評価された本市の住環境に加えて、これまで本市が取り組み続けてきた子育て施策に一層の磨きをかけ、若い世代に選ばれるまちとなるよう努力を重ねてまいります。
それでは、「テーマ1 若い世代を増やす」の施策について申し上げます。

まず、移住定住の促進につきましては、本市の令和4年の人口は、転入者が転出者を 844人上回り、令和3年に続き、2年連続して大幅な社会増となったことから、今後もこの流れをさらに加速できるよう、「親元同居・近居支援補助制度」及び「若い世代の住宅取得支援補助制度」を引き続き、実施してまいります。


次に、子育て支援につきましては、本年2月にスタートした出産子育て応援事業を推進し、妊娠期から出産・子育てまでの伴走型相談支援と経済的支援を一体的に取り組んでまいります。
また、子育て世帯への支援につきましては、こども医療費の支給対象年齢を、本年10月受診分より、これまでの15歳年度末から18歳年度末に拡大し、すべての子どもの健やかな成長と保護者の経済的負担の軽減を図ってまいります。

次に、仕事と子育ての両立支援につきましては、保育所における待機児童解消のため、令和2年度から4年度までの3年間で296人の定員増を図ってまいりました。本年4月には、水富地区に定員90人の民間の認可保育所が開園いたします。さらに、入曽地区においても、令和6年4月に定員90人の民間の認可保育所の開園に向け、整備を支援してまいります。また、入曽地区子育て支援拠点施設につきましては、令和5年度中の開所に向けて取り組んでまいります。
また、学童保育室につきましては、本年4月に入間野小第三学童保育室を開設するとともに、入室希望者の増加が見込まれる入曽地区においては、民営による学童保育室の開設を進め、待機児童の解消を図ってまいります。

次に、ヤングケアラーへの対応につきましては、実態把握のため、昨年7月に市内在住の小学4年生から高校生へ記名式のアンケート調査を行いました。引き続き、学校等における啓発や周知に努め、子どもたちが将来の夢をあきらめることの無いようにヤングケアラーの支援に取り組んでまいります。

次に、ひとり親家庭への支援につきましては、より良い条件での就職や転職につながる高校卒業程度認定試験合格のための講座受講費用の一部を補助する制度を創設いたします。

次に、学校教育支援の充実につきましては、これまでも学校の要請に応える体制を強化してまいりましたが、令和5年度は、教員が児童生徒への指導や教材研究などに、より注力できるよう、スクール・サポート・スタッフを増員し、全小中学校へ配置してまいります。

次に、国が進める「GIGAスクール構想」につきましては、授業支援ソフトを有効に活用した授業や、家庭学習における活用も推進しております。令和5年度は、AI型オンライン学習ドリルの活用により、一人ひとりの教育的ニーズや学習状況に応じた学習環境の整備に取り組んでまいります。

また、学力向上推進事業につきましては、小中学校での学習指導を補完するとともに、確かな学力の定着と家庭学習の習慣化を目指して、引き続き、「小・中学生学習支援事業“さやまっ子・茶レンジスクール”」を実施してまいります。

次に、国際理解教育の推進につきましては、語学指導助手を増員し、英語を身近に感じる環境をより充実させ、国際感覚の醸成を図ってまいります。

次に、教育活動の支援につきましては、さやまっ子相談員及び教育相談員を増員し、不登校児童生徒や人間関係の悩み等を抱える児童生徒及び子育ての悩みを抱える家庭への支援を充実してまいります。

次に、地域の力を学校運営に活かすための「コミュニティ・スクール制度」につきましては、既に導入している14校に加え、新たに中央中学校区の小中学校 3 校に導入してまいります。

次に、中学校部活動の地域連携・地域移行につきましては、国のガイドラインを踏まえて、今後の部活動の在り方や地域との関わり方について、学校や地域と連携を図りながら協議を進めてまいります。

次に、特別支援学級の充実につきましては、令和5年度に入間川中学校に新たに学級を設置し、これにより市内全小中学校への特別支援学級の設置が完了いたします。引き続き、障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援してまいります。

次に、学校施設整備につきましては、老朽化が進んでいる小中学校の空調設備の更新、外壁及び内装等の改修、照明設備のLED化を実施し、快適で安全な教育環境を確保してまいります。

テーマ2 まちと産業に活力を

ポストコロナを迎える本年は、社会経済活動が本格的に再開されます。
「テーマ2 まちと産業に活力を」では、持続可能なまちづくりをより一層進めていくための主な施策について申し上げます。

まず、本市の最重要課題である入曽駅周辺整備事業につきましては、既存建物の移転や道路などの工事が進み、新たなまちの形が見えてまいりました。令和5年度は、引き続き、区画道路などの工事を進めるとともに、鉄道事業者と締結する協定に基づき、入曽駅橋上駅舎と東西自由通路の工事に着手してまいります。また、入間小学校跡地利活用事業を推進し、入曽地区のにぎわいの拠点となるよう、令和6年度末のまちびらきに向けて整備を進めてまいります。

次に、都市計画道路の整備につきましては、狭山市駅加佐志線の交差点改良工事等を推進するとともに、本線及び雨水排水経路の用地取得を進めてまいります。
また、事業の進捗に併せ、次期優先整備区間である市道幹第94号線の整備を推進するため橋梁設計を実施してまいります。

次に、道路や橋梁の維持管理につきましては、日々の市民の生活を支え、災害時の避難・救助活動の生命線となることから、日常的な点検と計画的な修繕や補強工事を行い、長寿命化事業を推進してまいります。

次に、圏央道インターチェンジ周辺地区の整備につきましては、その立地特性を活かした工業系の土地利用転換を推進するため、地元権利者の合意形成に努め、事業化を推進してまいります。

次に、中小企業・小規模事業者への支援につきましては、狭山市ビジネスサポートセンターでの相談業務が利用者の9割以上の方から高い評価をいただき、大きな成果を上げております。昨年 3月には、全国20か所のBizネットワークでの取組が始まり、地域を超えた連携を図ることによって、さらなる支援の強化に繋げてまいります。
また、令和4年3月に策定した「第3次狭山市環境基本計画」では「2050年までに二酸化炭素の排出量実質ゼロの達成」を掲げております。本市では産業部門における二酸化炭素の排出量が市全体の約50%を占めていることから、製造業をはじめとする市内中小企業等の脱炭素化を図るため、排出量の可視化や専門家の活用に対する補助制度の創設などに取り組み、省エネルギー化への設備投資や再生可能エネルギーへの切替えを促進する「狭山サステナビリティ・トランスフォーメーション(略称SSX)」を実施してまいります。

次に、農業の振興につきましては、農業従事者の高齢化や後継者不足に加えて生産資材の高騰など厳しい経営環境の中にあっても、昨年、本市では新規就農者が3名おりました。引き続き、国や県の各種補助制度の情報を提供するなど、必要な支援を行ってまいります。
また、農業経営の合理化・近代化に資するため、農業用機械の導入補助や畑地かんがい施設の更新を支援するとともに、ロボットやICTなど先端技術を活用したスマート農業の展開に向けた支援に取り組んでまいります。

次に、商業の振興につきましては、市と協働で活動を行ってきた新狭山北口商店会をモデルに、入曽地区においても地域の方が主体となったイベント「いりそらマルシェ」が開催されました。他の地域においても商店街の活性化や賑わい創出に向けた取組が広がりを見せていることから、引き続き、地域と連携して活性化に取り組む商店街や事業者の活動を支援してまいります。

次に、観光の振興につきましては、昨年、入間川七夕まつりや商工祭等を3年ぶりに開催することができました。次世代への継承を念頭に、今後とも魅力あるイベントの開催に取り組んでまいります。
また、「入間川にこにこテラス」においては、新たな賑わいの創出に向けて、キッチンカーの出店や各種団体によるイベントの開催など、より魅力的なエリアとなるよう引き続き、様々な事業を実施してまいります。

次に、水道事業につきましては、笹井配水場の耐震改修をはじめ、施設の計画的な更新や耐震化を進めるとともに、適切な水質管理を行い、災害に強く、安全で安心な水道水の安定供給に努めてまいります。

次に、下水道事業につきましては、災害時のリスクを軽減するため、計画的な更新や耐震化を推進するとともに、引き続き、汚水管の整備を図ってまいります。また、雨水対策としては、入曽駅周辺の浸水被害軽減のため不老川雨水管整備事業を進めてまいります。

テーマ3 楽しめる健康高齢社会を

現在は、人生100 年時代と言われております。年齢や性別を問わず、いつまでも自分らしく活躍できる社会の構築が必要であります。「テーマ3 楽しめる健康高齢社会を」では、市民の命と健康を守り、お互いに支え合う社会を目指すための主な施策について申し上げます。


まず、地域包括ケアの推進につきましては、高齢者一人ひとりが住み慣れた地域で安心して暮らせる環境を整備するため、現在、7か所ある日常生活圏域のうち、柏原・水富圏域を分割して8か所とし、令和6年度に水富圏域に新たな地域包括支援センターを設置するよう取り組んでまいります。また、令和6年度から令和8年度までの3年間を計画期間とする、「第9期狭山市高齢者福祉計画・介護保険事業計画」の策定に取り組んでまいります。

次に、障害者福祉の充実につきましては、障害者施策の総合的かつ効果的な推進に向けて、「第6次狭山市障害者福祉プラン」の策定に取り組んでまいります。

次に、成人検診につきましては、乳がんや子宮がんの早期発見と治療を促すために令和4年度に行った「初回検診無料キャンペーン」を引き続き実施するとともに、各種健診の受診率の向上に努めてまいります。
また、がんになっても自分らしく生きることのできる社会の実現に向けて、経済的負担の軽減や療養生活の質の向上を図るため、新たにウィッグや胸部補整具の購入費用を助成してまいります。
次に、防犯対策につきましては、巧妙かつ凶悪化する犯罪に対し、警察や自治会等と連携して防止に努めてまいります。

次に、犯罪被害者等の支援につきましては、犯罪被害者やその家族が受けた被害の早期回復及び軽減を図り、再び平穏な生活を営むことができる地域社会の実現を図るため、犯罪被害者等支援条例を制定いたします。

次に、交通安全対策につきましては、特に高齢者に関する交通事故が多いことから、運転免許証の自主返納の促進等に引き続き、取り組んでまいります。
また、令和5年4月から自転車利用者のヘルメット着用が努力義務とされることから、関係機関と連携を図りながら啓発に努めてまいります。

次に、地域公共交通につきましては、市民の移動手段の確保を図るため、市内の公共交通の最適化に向けて地域公共交通計画を策定してまいります。
また、堀兼地区デマンドバス実証運行につきましては、評価及び検証を行うとともに、更なる利用者の拡大に取り組んでまいります。

次に、生涯スポーツの促進につきましては、武道館をはじめとした各スポーツ施設を有効に活用し、様々なスポーツの機会を提供してまいります。

次に、生涯学習の推進につきましては、公民館では、住民相互のつながりと地域の連帯感を醸成するため、学習サークルの学びの成果を地域で活かす地域貢献活動を促進するとともに、デジタル社会の進展に対応する学びの場を提供してまいります。

次に、市指定文化財の今宿遺跡につきましては、新たに学術的な検証を加えて策定した今宿遺跡復元住居等の再整備基本計画に基づき、遺跡復元のために寄せられた寄附金を活用し、復元工事を実施してまいります。

次に、子どもの読書活動につきましては、令和5年度からの「第3次狭山市子ども読書活動推進計画」に基づき、学校をはじめとする関係部署と連携を図りながら、推進してまいります。

次に、文化の振興につきましては、市民の自主的な文化活動を引き続き支援していくとともに、「狂言入間川」の鑑賞会や「さやま大茶会」などの開催を通じて本市ゆかりの伝統文化を継承し、その魅力を市内外に広くPRしてまいります。また、市内各地の特徴を童絵で描いた「令和版狭山市郷土かるた」をイベント等で活用し、歴史や文化をとおして、市民の郷土愛の醸成に取り組んでまいります。

次に、コロナ禍で中断していた統營市との交流につきましては、令和5年度に姉妹都市提携50周年の節目を迎えることから、統營市を訪問し、交流を再開してまいります。

テーマ4 市政運営をみんなの力で

コロナ禍においては、協働の精神にあふれる多くの皆さんの力によって何度もの危機を乗り越えることができました。「テーマ4 市政運営をみんなの力で」では行政はもちろん、市民、団体、事業者など市内外を問わず、多くの力を集め、本市を次世代に誇れるまちへと発展させるための主な施策について申し上げます。

まず、これからの行政運営につきましては、デジタル技術の一層の活用が求められており、本市においてもスマート自治体への転換を力強く進めてまいります。
各種行政手続きにおいては、市民が必ずしも市役所に出向くことなく、いつでも、どこでも、だれでも必要な行政手続きが可能となるよう進めてまいります。
そのため、マイナンバーカードの取得を促すとともに、証明書等のコンビニ交付手数料を減額してまいります。

次に、行政事務につきましては、積極的に自治体デジタルトランスフォーメーションに取り組むことにより、効率的かつ効果的な業務の推進を図ってまいります。具体的には、システム入力などの単純作業について、AI-OCRを活用する業務を拡充するとともにRPAを活用して業務効率の向上と負担軽減を図ってまいります。
さらに、ペーパーレス化の推進及び事務の効率化を図るため、電子決裁機能を備える「文書管理システム」を構築してまいります。
また、窓口業務の改善につきましては、亡くなられた方のご遺族が必要な手続きをスムーズに進められるよう「(仮称)おくやみコーナー」を設置し、手続きに係る負担を軽減してまいります。

次に、シティプロモーションにつきましては、新たな試みとして、市民向けの「インフルエンサー養成講座」を実施し、地域への関心を高め、郷土愛の醸成に取り組んでまいります。

次に、ふるさと納税の推進につきましては、さらなる自主財源の確保に向けて、市内企業の魅力ある返礼品をPRするともに、新たな返礼品を発掘し、歳入の増加に努めてまいります。
また、平成30年度からスタートしたクラウドファンディング型のふるさと納税を利用した就学応援金については、入学時の支給に加え、就学状況に応じた新たな給付を行ってまいります。

次に、危機管理防災対策につきましては、令和4年度に事業者等と連携し、県内初となる協定をはじめ、7件の防災協定を締結いたしましたが、激甚化する災害の実態を踏まえ、今後も事業者等と連携して防災体制の強化を図ってまいります。
また、地域防災力につきましては、埼玉西部消防組合や防災関係団体、災害時応援協定を締結している自治体や事業者などとの協力体制を一層強化するとともに、自治会や自主防災組織と連携し、より実践に則した防災訓練を実施することで、強化を図ってまいります。
また、消防団につきましては、第6分団第2部の消防ポンプ自動車を更新するほか、消防団活動経験者や大学生などを主体として、消防団活動の一部を担う機能別消防団員の拡充を図ってまいります。

次に、公共施設の適正な管理につきましては、「公共建築物点検マニュアル」に沿った日常点検を継続するとともに、施設情報の整理・蓄積を進め、修繕や改修時期等を検討し、計画的に実施してまいります。

次に、環境保全と脱炭素社会の実現に向けた取組につきましては、テーマ2で申し上げた「狭山サステナビリティ・トランスフォーメーション(略称SSX)」に加えて、埼玉県と連携し市内工業団地のエネルギー利活用に向けた方策を検討してまいります。また、一般家庭の脱炭素化につきましては、クリーンエネルギー推進補助金を増額するとともに、引き続き、省エネエアコンへの買い替えを促す補助事業についても実施してまいります。さらに、次世代を担う子どもたちのため、事業者と連携した環境教育の充実に取り組んでまいります。

次に、一般廃棄物の処理につきましては、「狭山市一般廃棄物処理基本計画」に基づき、ごみの減量化とリサイクルを推進します。特に、古紙、プラスチックなどの分別による資源化や食品ロスの削減、生ごみの水切りなど、多くの機会を捉えて周知、啓発を行い、燃やすごみの減量化を図ってまいります。
また、ごみの減量化の新しい取組につきましては、事業者と不用品リユースに係る協定を締結し、不用品のリユースを促進してまいります。

次に、女性活躍の推進につきましては、市内企業で働く女性のニーズを把握し、女性が働きやすい職場環境づくりを促進してまいります。

次に、広域行政の推進につきましては、本年2月に埼玉県西部地域まちづくり協議会の構成市で締結した「パートナーシップ・ファミリーシップ制度に係る連携に関する協定書」に基づき、圏域内での転入・転出時における手続きの簡略化を進めてまいります。次に、最上位の行政計画である総合計画につきましては、現在の計画が令和 7年度をもって終了することから、SDGsの基本理念に基づき、誰ひとり取り残さない持続可能な社会の実現に向け、次期総合計画の策定に取り組んでまいります。

令和5年度予算概要

以上申し上げました主要な施策を盛り込み編成いたしました令和5年度予算案について、その概要を申し上げます。

歳入予算につきましては、歳入の根幹をなす市税は、経済情勢の持ち直しが見られることや、市内の家屋の新増改築分などを考慮し、前年より増額の見込みとしたほか、株式譲渡所得割交付金及び地方消費税交付金などの各種交付金や地方交付税につきましては、令和4年度決算や令和5年度の交付見込みなどを勘案して計上したものであります。

国庫支出金につきましては、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の減などを見込み前年度より減額としております。また、県支出金につきましては、令和 5 年度に実施が見込まれる県知事選挙委託金などにより、前年度より増額となったものであります。

市債につきましては、臨時財政対策債の大幅な減などにより、前年度より減額し、また、財政調整基金をはじめ、各目的基金からの繰入れを行い、財源を確保したものであります。

歳出予算につきましては、入曽駅周辺整備事業費、中学校校舎等改修事業費及び小学校空調設備等改修事業費など必要な事業に予算を配分するとともに、第4次狭山市総合計画後期基本計画の4つの重点テーマを中心に事業の選択と集中を図り、予算を編成したものであります。この結果、一般会計の予算額は、前年度対比2.7%増の495億1,600万円となりました。また、特別会計全体の予算額は、前年度対比2.9%増の309億6,886万7千円となりました。さらに、公営企業会計の予算額は、前年度対比0.9%増の95億5,099万6千円となり、すべての会計の予算総額は、前年度対比2.6%増の900億3,586万3千円となったものであります。

むすびに

自治体の責務は市民の生活を守ることです。「悲観は気分、楽観は意志」という言葉があります。冒頭、申し上げた多くの変化は間違いなく、私たちの気分を悲観的にするものです。さらに、現状は全く楽観できるものではありません。

思えば、3年前のこの時期は新型コロナウイルス感染症の先行きが全く見えず、世界中が不安と悲観に包まれました。この100年に一度の危機の時に、それらを打破していった原動力は、今、自分ができることに集中し、状況を改善させるべく努力するという人の力でした。そして、本市においても年齢、性別、職業などを問わず、人の力、市民の力が大いに発揮されました。私はこのことを本当に誇らしく思っています。そして、この力をまちづくりに大いに活かしていきます。

今後、社会がどのように変わろうとも、私たちは素晴らしいまちをつくることができます。人と企業から選ばれるまちをつくることができます。様々な制度や仕組みを改善し、「誰ひとり取り残さない」社会をつくることができます。子どもや若い世代を応援し、持続可能な社会をつくることができます。そのためにこそ、多くの先人たちが成し遂げたように、強い意志と矜持を持ち、新たな時代を私たちが担っていきましょう。そして、元気な狭山をつくる、この大きな目的に向かって歩もうではありませんか。

皆様のご理解とご協力を心からお願いし、本年も本市の発展のために全力で市政運営に取り組むことを申し上げまして施政方針とさせていただきます。

このページに関するお問い合わせは
企画財政部 財政課

狭山市入間川1丁目23番5号

電話:04-2935-6633

FAX:04-2954-6262

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