入間川四丁目に『おすわさま』と呼ばれている諏訪神社があります。この神社では、毎年夏の盛りの八月二十六日と二十七日に『なすとりかえの行事』が行われています。このなすとりかえの行事には、こういう伝説があります。
むかしむかし、諏訪の里の諏訪神社の裏に大きな底なし沼がありました。ある時、この沼にすむ魚が殺されたり、近くの田畑が荒らされたりということが、たびたび起こりました。
「これは、おすわさまの怒りではあるまいか」と村人たちは里のあんたいを祈りました。
そのあくる日の朝、村人たちが見たものは、ものすごい音と水しぶきの中で、狂ったようにあばれている龍神の姿でした。
それを見た村人たちは、もう腰もぬかさんばかりにおどろいて、手に持っているものを放りだし、娘たちは朝、畑から取ったばかりのなすをかごごと放りだし、一もくさんに家へ逃げ帰りました。
このことを聞いた村のくっ強な若者たちは、おそるおそる沼へやってくると、沼は何事もなかったように静かで、ただ空っぽになったなすのかごが浮いているだけでした。
その後何日かたったある晩のこと、村長の夢の中に龍神がでてきてこう言いました。「ワシはおすわさまの沼にすむ龍神であーる。今まで大変さわがせてすまなかった。実は夏病に苦しんでいた時に投げ込まれたなすを食べたら、苦しみがおさまった。これからは大神につかえて、村のためにつくすからゆるしてくれーい」
こうして村人は、夏の病気になすがきくことを知りました。そして、村人たちは年に一度の諏訪神社の大祭に、必ずなすをそなえ、そのうちのいくつかを龍神からいただき、夏の病気から身を守ったということです。
また、龍神はその姿から、おかいこや苗代を食い荒らすネズミよけの神さまともいわれています。
(諏訪神社縁起から)
諏訪神社
お堂
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