徳林寺というお寺の境内の片すみには「成円地蔵」というりっぱなお地蔵さまが、安置されています。
このお地蔵さまには、こういう伝説が伝わっています。
それは、むかしむかしのおはなしです。入間川のほとりに、それはそれは働者のお農家さん夫婦が住んでいました。この夫婦には、一人のかわいい女の子がいましたが、その子は生まれて間もなく、夫婦のちょっとした油断がもとで、耳が聞こえなくなってしまいました。
夫婦は、少々の不自由にはたえられますが、娘のことだけが一番の悩みのたねでした。医者という医者には何度もみてもらいましたが、娘の耳は、いっこうに治りませんでした。
そして人伝えや、うわさを聞いては、あらゆる所へ願かけに行きました。しかし、娘の耳はよくなりませんでした。
そんなある日のこと、あまり近くにあって気がつかなかった徳林寺のお地蔵さんが、なかなか霊験あらたかだということを耳にしました。
そこでさっそく夫婦は、娘を連れて願かけに出かけました。そして、三七、二十一日の満願の日の朝のこと、娘は鶏の鳴き声で目をさましました。
それを聞いた夫婦は、たいそう喜んで、何かお礼をしようと思いましたが、家は貧しくお礼になる物がありません。そこで、河原にあるめずらしい穴あき石に糸を通して、娘の耳が通った(聞こえるようになったこと)お礼にしようと娘と一緒に徳林寺へお礼に行きました。
そのことが、たいそうな評判になり、大願成就のさいには穴あき石に糸を通してつるすならわしになりました。そして、今も穴あき石はお堂のわきにたくさん納められています。
また、この成円地蔵は子育て地蔵ともいわれ、小児の夜泣きや病弱な子どもに霊験があるといわれています。
あなあき石
お堂
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