狭山市の中央部を西から東へ流れている入間川には、上流から本富士見橋、新富士見橋、昭代橋という三つの大きな橋がかかっています。
そして、この三つの橋のほかにいま一つ、おとなりの川越市によった河原に木でできたかわいらしい橋がちょこんとかかっています。
この橋は、自動車もとおれない小さな橋ですので、日曜日ともなると、家族づれのハイキングや魚つり、そしてサイクリングの人たちのちょっとしたいこいの場所になっています。
この橋は、むかしから『くずはき橋』とよばれています。
名前のいわれは、そのむかし冬になると下奥富に住む人たちが、入間川のむこう岸の山へ田畑の肥料につかう『くずの葉』(かれ葉のこと)をとりにいくために、みんなで力をあわせて小さな橋を作りました。
そして、人々はカゴをかついだり、荷車をひいたりして川向こうの柏原へ山のくずの葉をとりにいきました。
そのころからこの橋は、くずはき橋といわれるようになりました。ですからこの橋は、山のくずをはく季節にだけかかっていて、ほかの季節にはかかっていなかったそうです。
このくずはき橋は、毎年秋の『えびす講』のころになると新しくかけかえられたといわれています。