逃水のはなし

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更新日:2021年3月29日

画:逃げ水の里

入間地区(いるまちく)水野(みずの)という(ところ)に『逃水(にげみず)』という地名(ちめい)(いま)ものこっています。むかしこのあたりは、一面(いちめん)荒野(あれの)入間川(いるまがわ)から(とお)くはなれていましたので、たいへん(みず)にこまっていた(ところ)でした。
(みず)があまりに(すく)ないため、一日(いちにち)畑仕事(はたけしごと)()わって(いえ)(かえ)った(とき)などは、青草(あおくさ)()ってそのたばで(あし)をふいたり、お(こめ)のとぎ(じる)(あつ)めておふろにしたり、それはもう大変(たいへん)(みず)不自由(ふじゆう)していました。
そのため、このあたりには七曲(ななまが)りの()堀兼(ほりかね)()のような(ふか)井戸(いど)(いま)もなおのこっています。
これは、むかしむかし所沢(ところざわ)のことを『とろろ(さわ)』といったころのおはなしです。
ある()旅人(たびびと)が、とろろ(さわ)(ほう)()くために、この()(とお)りかかりました。その()は、とても(あつ)()でしたので、旅人(たびびと)は、もうのどがかわいてしかたがありませんでした。
ところが旅人(たびびと)は、あいにく(みず)いれを()ちあわせていなかったとみえて、あたりに(みず)がないものかと、キョロキョロと()まわしました。
すると、(はやし)手前(てまえ)(みず)(なが)れが()つかりました。「やれよかった」よろこんだ旅人(たびびと)は、(みず)にむかっていちもくさんにかけだしました。
するとどうでしょう。さっき()(ところ)(みず)はなく、どんどん(とお)くにはなれていきます。いくらおいかけても(みず)(とお)くにいってしまいます。
それでも旅人(たびびと)は、(みず)がのみたい一心(いっしん)で、フラフラになりながらも(みず)(ほう)(はし)っていきました。
そして、この(はなし)がパッとひろがり、いつのまにか、この()が『逃水(にげみず)(さと)』といわれるようになりました。
逃水(にげみず)原因(げんいん)には、蒸気説(じょうきせつ)やかげろう(せつ)、そしてシンキロウ(せつ)などがありますが、武蔵野(むさしの)逃水(にげみず)として有名(ゆうめい)になり、古歌(こか)にもしばしば(うた)われています。

このページに関するお問い合わせは
企画財政部 広報課

狭山市入間川1丁目23番5号

電話:04-2935-3765

FAX:04-2954-6262

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