広瀬の宮地という所に信立寺という古いお寺があります。このお寺の境内には『鬼子母神さま』がおまつりしてあります。
鬼子母神さまは、子どもを守ってくれる神さまです。でも最初からそうではありませんでした。それには、こういうおはなしがあります。
むかしむかし、鬼子母神は鬼そっくりの恐ろしい神さまで、いつも人間の子どもをとっては食べていました。それを見た神さまは、たいそう悲しんで、ある日、鬼子母神の子どもの一人をつかまえて、かくしてしまいました。
子どもがいなくなったことに気がついた鬼子母神は、それはもうとりみだしてわが子をさがしまわりました。そこへ神さまがあらわれて、こういいました。「わが子をとられれば、人間だってお前と同じように悲しいのだ。もう二度と人間の子をとらないか」
すると鬼子母神は、泣きながらお願いしました。「もう決して人間の子をとったりはいたしません。どうか私の子をかえしてください」
それ以来鬼子母神は、すっかり変わって、人間の子を守ってくれる子育ての神さまになりました。
そして、毎年春の三月十八日が、鬼子母神さまの縁日で、この日には、近くの村の人たちはもちろん、遠く比企郡や八王子の方からも、まごや子どもの手をひいた人たちが、おまいりにくるそうです。
おまいりにくる人たちは、みんな手に手につくりたての新しいワラぞうりを持ってきますが、これには、次のようないわれがあります。
新しいワラぞうりを納めて、子どもの病気がなおるように一心にお祈りをして、以前に納めた古いぞうりを持ち帰ります。そして、この古いぞうりをはいて「早く歩いておくれ」とお願いすると、ふしぎに病気がよくなったそうです。
また、最近では子どもの肌着までおそなえしている人たちもいるそうです。
信立寺入口
信立寺お堂
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