この馬頭観音は1面6臂の立像で、青柳の丸山稲荷神社付近にあり、享保14年(1729)3月に造立されたものです。頭上の馬は一部が欠けているためはっきりしませんが、それ以外は彫りもしっかりしており、持物も斧・蓮華・弓が確認できます。
この石仏の最大の特徴は尊像の右上にある「うはっきゅう(八の下に臼と烏)」の文字で、「烏八臼」の合字とされ、これを刻むものは市内で1基のみです。烏八臼については、これまでにさまざまな説が提示されていますが、それらを要約すると、(1)鳥の意味、(2)鳥を追い払う(サギに似た鳥)の変化したもので、この鳥の名を刻むことによって供物に近づく鳥を払う、(3)日月の意味、(4)優婆塞(男性の仏教信者)・優婆夷(女性の仏教信者)の意味、(5)梵字合字の崩れ、(6)吽の合字、(7)大迦葉が成仏の印として弟子に授けた字形、(8)キュウは「キ」、すなわち帰と八との「キハチ」に臼の「ウ」を加え「キキュウ」、すなわち「帰空」を表す、(9)カン、タンと読みツイバムの意味など、驚くほど多岐にわたっています。
- 寸法:高さ93センチメートル・幅31センチメートル・台座高さ22センチメートル・台座幅41センチメートル
場所
所在地
狭山市大字青柳227番地付近
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