狭山市を含む埼玉県西部地域は、かつては養蚕が盛んに行われていました。蚕の飼育は大変な仕事でしたが、比較的短期間で繭の出荷ができたので、農家にとっては大切な現金収入源だったのです。
この蚕神は下奥富の亀井神社境内にあり、文政13年(1830)に造られたものです。家屋形の石祠には「蚕影山大権現」と刻まれ、左側面には「願主講中」とあります。
ここでいう講中とは、養蚕が主に女性の手で行われていたことを考えると、女性を中心とした「おしら講」ではないかと思われます。
なお、蚕影山は茨城県つくば市所在の蚕影神社のことで、古くから養蚕の神として信仰されてきました。
- 寸法:高さ66センチメートル・幅24センチメートル・台座高さ8センチメートル・台座幅41センチメートル
場所
所在地
狭山市大字下奥富1465番地
亀井神社
関連項目
社寺
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