堀兼地区に、むかしから鎌倉街道といわれている古い道があります。この街道ぞいには『権現橋』という小さな橋がかかっている所があります。
そして、この橋の下を流れている川が不老川です。
むかしむかし、権現橋のたもとには、それはそれは大きなケヤキの木がそびえていて、夏には日かげをつくり、冬にはつめたい風をふせいでいましたので、ここを通る旅人たちは、ケヤキの根っこに腰をおろしてひといきいれていたそうです。
また、権現橋のたもとには、こんもりとした塚(小高い丘のこと)もあり、塚のわきには、子の権現さまやお地蔵さま、そして道祖神さまがまつってありました。
土地の人や旅の人たちは、子の権現さまが、足の悪い人や足の弱った人にごりやくがあることを知っていて、足の悪い子どもやおとしよりをつれて願かけにやってきました。
そして、念願がかなって足がよくなると、さっそくお礼に金属製のとりいやワラジ、そして、きれいな絵馬を納めていきました。
今は、自動車がゆききするこのあたりも、むかしは街道の道はばももっとせまく、うっそうとしげった権現さまの大ケヤキは、遠く入曽あたりからもみえていたそうです。そして、不老川には、いつもきれいな水が流れていました。
今でも権現橋のあたりは、まだしむかしのおもかげをのこしています。
ごんげん橋
ごんげん橋地蔵
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