むかしむかし、柏原の小山上のあたりで、たいそう大きな戦がありました。この大戦で一方の大将が目に大けがを受けてしまいました。
猛烈な痛みにたえながら、ヨロヨロと薬師堂の近くまでのがれてきました。そうしますと、茂みの間からそれはそれはきれいな清水が、こんこんとわきでていました。「やれありがたし、さっそくこの水で目を冷やそう」
大将は泉にかけより、持っていました布を清水にひたして目を洗いました。「おおー、これは気持ちが良いわい」そしてこんどは、傷ついた目を清水の中につけました。「うーむ、実に良い気分じゃ」すると戦のつかれがドッと出て、大将は清水のわきでぐっすりと寝こんでしまいました。
それからしばらくして、大将は目をさましました。するとどうしたことでしょう。あれほど痛かった目の傷が、なにごともなかったようにすっかりなおっているではありませんか。そして、目もすっかり見えるようになっていました。
このふしぎなはなしは、たちまちのうちに、柏原だけでなく近郷近在にまでひびきわたりました。『薬師さまの清水は眼病にきく』と伝えられ、目の病いを持った人々が、ひっきりなしに薬師さまの泉をおとずれては、清水をくんで持ち帰りました。
このために、薬師さまの清水はすっかりかれてなくなってしまったそうです。
薬師様の清水入口
薬師様の清水
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