青柳地区を流れている小川のそばの辻に、小さなお堂が建っています。そして、このお堂の中には、「中橋地蔵尊」というちいちゃなお地蔵さまが、ちょこんと立っています。ところが人々は、このお地蔵さまを中橋地蔵とは呼ばずに、だれもが 『せんちゃん地蔵』と呼んでいます。
そのいわれは、むかしむかし、お地蔵さまのすぐそばに、小さな茶店がありました。そして、茶店で売っていた焼きだんごも『せんちゃんだんご』と呼ばれ大そうな評判でした。
旅の人たちも、かならずここに立ち寄って、お地蔵さまに旅の無事を祈り、茶店でせんちゃんだんごを食べて、また旅を続けました。
せんちゃんと呼ばれるのは、実は茶店のおじいさんが『せん松』という名前だったからなのです。せん松さんは、若いころに青柳へ引越してきましたが、そのころにはあたり一面背たけよりも高い藪(やぶ)が茂っていて、川には土手もありませんでした。『これじゃあ、みんなが困るべぇ』とせん松さんは、まず草を刈り、次に川のふしん(工事のこと)にとりかかりました。その時に掘り出したのが、このお地蔵さまでした。
それからは、だれいうとなくこのお地蔵さまを『せんちゃん地蔵』と呼ぶようになりました。特にこのあたりは、おかいこさまや野菜を出荷する時には、入間川へ行く大八車をつくり、茶店も繁盛したそうです。
しかし、今は大八車が自動車になり、道もりっぱになったため、人通りがまばらになり、とうとう茶店もなくなってしまいました。しかし、せんちゃん地蔵だけは今も残っています。
(狭山の絵本より)
場所
所在地
狭山市大字青柳414番地付近
関連項目
歳時記
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