むかしのおはなしです。堀兼の青柳に住むある男が、川越の新河岸へと、大八車に荷物をいっぱい積んで出かけました。
第六天の林の中を通ったそうです。その時は、とても急いでいましたので、サッサとかけぬけたそうです。
林の中は杉の木が立ち並び、昼でもなお暗いところでした。やがて仕事も終わり、帰るときは日も暮れ、月がでていました。
第六天の林の中から家の明かりがチラチラ見えましたので、『やれやれ!ひと風呂あびて、一杯やるべぇ!』と、少し足を速めました。ところが、歩いても歩いても、明かり は遠くなるばかりで、家にたどりつきません。
気が付いてみると、なんと、新河岸にもどっているではありませんか。男は立ち止まり、一服つけて考えました。『そうだ!おら、今朝方あわてていたんで、第六天さまに挨拶しなかったべぇ!これは、第六天さまの狐のしわざにちがいなかんべぇ!』と気が付き、おおいに後悔しました。
それからは、林の中を通る時は『第六天さま』と言って通るようになったそうです。
(広報さやま平成14年12月10日号より)
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