旧川越街道・北入曽と堀兼の境の辻に、市内でもめずらしい六地蔵さんがたっております。正式には石幢六地蔵菩薩と呼ばれ、六角の面それぞれに、お地蔵さんが彫られています。
六地蔵とは、この世で犯した罪のむくいに、死後、閻魔大王のさばきにより、地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道の六つの世界に落ちて罪のつぐないに、長い苦難の歳月を過ごすと、信じられておりました。そのときに、救いの手をさしのべるのが、六つに分身した、お地蔵さんだそうです。
昔、大八車にたくさんの荷を積んで、行きかう人々も、辻のお地蔵さんまで来ると、『あー、お地蔵さんだ、ここまで来れば、もう安心だべ!』といって手を合わせて通りすぎていったそうです。近所の子ども達も、六地蔵さんの前で遊んでいる分には、大人たちも安心して、仕事に精が出たそうです。
街道も広がり、車の往来の激しくなった現在も、この六地蔵さんの前では、大きな事故が起こらないのだそうです。
この六地蔵さんは、貞享3年(1686)に造られたもので、今も小さなお堂の中に安置され、人々の安全を見守りつづけております。
(広報さやま平成15年10月10日号より)
場所
所在地
堀兼1508番地2付近
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