認知症は、誰にも起こりうる脳の病気によるもので、85歳以上では4人に1人にその症状があるといわれています。
軽度認知障害
認知症の予備軍といわれます。正常と認知症の中間であり、以前に比べて物忘れなどが低下しています。日常生活はできていますが、軽い能力低下が見られます。この段階で、脳の活性化を図ったり、運動習慣をつけたりすることは、認知症の予防に重要です。
加齢による「もの忘れ」と認知症の「記憶障害」の違い
加齢による物忘れ | 認知症の記憶障害 |
---|---|
経験したことが部分的に思い出せない | 経験したこと全体を忘れている |
目の前の人の名前が思い出せない | 目の前の人が誰なのか分からない |
物の置き場所を思い出せないことがある | 置き忘れ・紛失が頻繁になる |
何を食べたか思い出せない | 食べたことじたいを忘れている |
約束をうっかり忘れてしまった | 約束したことじたいを忘れている |
物覚えが悪くなったように感じる | 数分前の記憶が残らない |
曜日や日付を間違えることがある | 月や季節を間違えることがある |
※『認知症を学び 地域で支えよう』全国キャラバン・メイト連絡協議会より引用
認知症の原因となる主な病気
アルツハイマー病(認知症の約50%を占めます)
大脳皮質連合野や海馬領域を中心にβアミロイドというタンパク質のごみ、続いてタウタンパクが神経細胞内に蓄積し、神経細胞のネットワークが壊れると発症します。比較的早い段階から記憶障害、見当職障害のほか、不安・うつ・妄想が出やすくなります。
レビー小体型認知症
パーキンソン症状や幻視を伴い、症状の変動が大きいのが特徴です。
前頭側頭型認知症
司令塔役の前頭前野を中心に傷害されるため、がまんしたり思いやりなどの社会性を失い、「わが道を行く」行動をとる特徴があります。
脳血管性認知症
脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などのために、神経の細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その部分の神経細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れて、意欲が低下したり、複雑な作業ができなくなったりします。
※『認知症を学び 地域で支えよう』全国キャラバン・メイト連絡協議会より引用
若年性認知症
18歳以上65歳未満で発症する認知症は、「若年性認知症」と呼ばれています。若年性認知症の推定発症年齢の平均は、およそ51歳と言われており、高齢になってから発症する認知症と比べ、脳の萎縮スピードが速く、一般的に病気の進行が早いのが特徴です。
埼玉県・若年性認知症への取組み(外部サイトへジャンプします)(外部サイト)
認知症の症状
記憶力が低下します(記憶障害)
- 新しいことが覚えられなくなります。
- 最近のこともすぐに忘れてしまいます。
時間や場所など、周囲の状況が分からなくなります(見当職障害)
見当職とは、現在の年月・時刻や自分のいる場所などの基本的な状況を把握することです。
- 日付や季節感などが分からなくなります。
- 道に迷ったり、遠くまで歩いていこうとしたりします。
- 周囲の人が分からなくなります。
ものごとを考えることや判断に支障が出てきます(理解・判断力の障害)
- 考えるスピードが遅くなります。
- 一度の処理できる情報量が減り、二つ以上のことが重なるとうまく処理できなくなります。
- 普段の生活と違うことが起こると混乱しやすくなります。
- 自動販売機などの目に見えない仕組みが理解できなくなります。
計画を立てて、物事を進めることができなくなります(実行機能障害)
- 段取りよく、計画を実行することができなくなり、日常生活を首尾よく営めなくなります。
認知症の方を介護されるご家族の皆さんへ
家族だけで対応の難しいケースもありますが、家族だけで悩まず、医療や公的援助などを活用して、負担を減らすことも大切です。
関連情報
埼玉県・認知症施策(外部サイトへジャンプします)(外部サイト)
厚生労働省・認知症を理解する(外部サイトへジャンプします)(外部サイト)
このページに関するお問い合わせは
健康推進部 介護保険課
電話:04-2941-4892
FAX:04-2954-6262
この情報は役に立ちましたか?
お寄せいただいた評価はサイト運営の参考といたします。