笹井の宗源寺の北側に「がんざ山」という昼でも うす暗く、さみしい所がありました。そこには、今も「はくさんさま」がお祭りしてあり、そのすぐそばには、滝不動といわれるお不動さまがあります。がんざ山のはくさんさまは、虫歯にご利益があるといわれ、村の人たちは、みんな願かけに来ていました。このはくさんさまには、こういういい伝えがあります。
むかしむかし、広瀬に住んでいたある女の子が虫歯になり、毎晩『いたいよー、いたいよー』と泣いていました。するとおばぁさんが『かわいそうに、そんなにいてぇなら、がんざ山のはくさんさまにお願いしてみたらよかんべぇ 』といいました。ところが、このがんざ山には悪いタヌキがいて、人が行くと悪さをして、なかなか人を近づけませんでした。
そのことを聞いていた女の子の兄さんが『よし、おらがおぶってやんから 行くべぇ。なーに悪いタヌキがでたらぶっとばしてやらあ』といいました。そして、女の子は兄さんにおぶわれて願かけに行きました。
兄さんは、村でもわんぱくでとおっていましたので、がんざ山のタヌキなどは、ちっともこわくはなかったのです。兄弟は、毎日一生懸命に願かけに通ったので、女の子の歯もすっかり治り、そのお礼に金具でできた「鳥居」をはくさんさまに納めました。この 鳥居は、針でつくったものもあったそうです。
(狭山の絵本より)
地図
所在地
左、狭山市笹井2丁目38番地
滝不動尊
右、狭山市笹井2丁目17番8号
宗源寺
関連項目
仏閣
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狭山市入間川1丁目23番5号
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