昔のお話です。水富の根山の方に、それは働き者のおばあさんと孫娘が住んでおりました。朝は日の出とともに、孫娘と畑に出て、日が西の山に沈むまで畑を耕し、その日を暮らしておりました。
ある日のことです。孫娘の着物がほころびていましたので、おばあさんが早速縫いつけようと針に糸を通そうとしました。ところがです。何度やっても針の穴が見えず、糸は通りませんでした。眼が弱ったことを知ったおばあさんは、すっかり自信を失い、畑仕事も休みがちになってしまいました。
そんな時、上広瀬本宿の小川のそばに眼病に霊験あらたかなお薬師さまがあるということを聞きつけた孫娘は、すぐおばあさんをつれて願かけに出かけました。二人が毎日、熱心におすがりしたおかげで、あんなにかすんでいた眼もよくなって、針に糸が通せるようになり、おばあさんと孫娘は以前にもましてよく働くようになりました。
この薬師さまは「堀口薬師」で、ご本尊は木造薬師如来立像です。あるとき火災により、堂はすべて焼失しましたが、ご本尊は無事でした。ご先祖様が新田義興の家臣であったので「新田の薬師さま」とも呼ばれ、毎月12日が縁日になっています。
(広報さやま平成17年7月10日号より)
場所
所在地
狭山市広瀬2丁目18番付近
堀口薬師堂
関連項目
仏閣
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