日本国内で麻しん(はしか)の発生が報告されています。平成27年(2015年)3月27日、世界保健機構西太平洋地域事務局により、日本が麻しんの排除状態にあることが認定されました。排除後は、海外からの輸入症例を契機とした日本国内における感染伝播事例が報告されています。今後さらなる輸入症例や国内における感染事例が増加する可能性がありますので、ご注意ください。
麻しん(はしか)とは
麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。
麻しんウイルスの感染経路は、空気感染・飛沫感染・接触感染で、ヒトからヒトへ感染し、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
症状
感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2から3日熱が続いた後、39度以上の高熱と発疹が出現します。肺炎や中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人と言われています。その他合併症として、10万人に1人程度と頻度は高くないものの、麻しんウイルスに感染後、特に学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる中枢神経疾患を発症することがあります。
感染予防について
麻しん(はしか)は感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻しんの予防接種が最も有効な予防法です。定期接種の対象者だけでなく、海外渡航を計画している成人も、麻しんの罹患歴がなく、2回の予防接種歴が明らかでない場合は予防接種を検討してください。
麻しん風しんワクチンを接種することによって、95パーセント程度の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。
麻しんの抗体保有状況
麻しんの抗体保有状況調査は1978年度に開始後、都道府県の各地方衛生研究所と国立感染症研究所との連携のもとに、全国規模で実施されています。
2022年に22都道府県で実施された抗体保有状況では、麻しん抗体陽性と判断された抗体保有率は全体で96.2パーセント(4,988/5,185名)となっています。年齢群別にみると以下のとおりとなっています。
年齢 | 麻しん抗体保有率 |
---|---|
0から5か月 | 55.6パーセント |
6から11か月 | 8.6パーセント |
1歳 | 77.2パーセント |
5歳 | 91.2パーセント |
17歳 | 93.9パーセント |
69歳 | 90パーセント |
麻疹の抗体保有状況(NIID 国立感染症研究所)(外部サイト)
よくある質問
Q1.麻しんにかかったかもしれませんが、どうしたらよいのですか?
A. 発疹、発熱などの症状がある場合は、麻しんの疑いがあることをかかりつけ医または、医療機関に電話等で伝え、受診の必要性や注意点を確認してから、その指示に従ってください。また、医療機関へ移動される際は、周囲の方への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用を可能な限り避けてください。
Q2. 過去に麻しんにかかったことがあるのですが予防接種をうけるべきでしょうか?
A. 今まで麻しんにかかったことが確実である(検査で麻しんの感染が確認された場合)は、免疫を持っていると考えられることから、予防接種を受ける必要はありません。しかし、麻しんかどうか明らかでない場合はかかりつけ医師にご相談ください。たとえ過去にかかったことがある人がワクチン接種をしても、副反応は増強しません。
Q3. ワクチン接種を受けた方がいいのはどのような人ですか?
A. 定期接種の対象の方々(1歳児、小学校入学前1年間の幼児)は、積極的勧奨の対象ですが、定期接種の時期にない方で、「麻しんにかかったことがなく、ワクチンを1回も受けたことがない方」はかかりつけの医師にご相談ください。平成12年4月2日以降に生まれた方は、定期接種としての2回の麻しん風しんワクチンを受ける機会がありますが、それ以前に生まれた方は、定期接種として1回のワクチン接種の機会があった、もしくは定期接種の機会がなかった方となります。そのため、麻しんにかかったことがなく、2回の予防接種を受ける機会がなかった方で、麻しんにかかるリスクが高い方や麻しんの流行国に渡航するような場合には、2回目の予防接種についてかかりつけの医師にご相談ください。
麻しんに関する情報
麻しんの発生状況、詳しい情報については、以下のページをご確認ください。
・麻しんについて(厚生労働省)(外部サイト)
・麻しんの最新情報(NIID 国立感染症研究所)(外部サイト)
・埼玉県の麻しん及び風しん流行情報(埼玉県感染症情報センター)(外部サイト)
・麻しん風しん混合(MR)ワクチン接種の考え方(国立感染症研究所)(外部サイト)
このページに関するお問い合わせは
健康推進部 健康づくり支援課
狭山市狭山台3丁目24番地
電話:04-2956-8050
FAX:04-2959-3074
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