むかしのおはなしです。下奥富の吹上にあります亀井神社は田んぼの中にありました。
村では田植えもおわり、ひと息いれ、のんびりとした日がつづいていたある日のことでした。とつぜん神社近くにある家から火の手があがり、おおさわぎとなりました。
『火事だ、火事だ!』
『たいへんだ神社があぶねぇぞ!』
急なことで村の人たちはおろおろと右おう左おうするばかりでした。
『水だ水だ!』
『はやく、はやく!』
火はみるみる広がり神社にまで火がうつろうとしたときです。田んぼの方からなにやら小さな生きものがゾロゾロと神社に向かっていくではありませんか。やがて本殿をグルリと囲み、たてものが 見えなくなるくらいベタベタとくっつきはじめました。そして、火が本殿をひとのみにしようとしたときです。小さな生きものがいっせいに水を吹き出し火を消しはじめました。そのみごとさには村のひとたちも拍手かっさいでした。
無事、神社を火事からまもった恩人をよく見ますと、なんとそれは水田や小川にすむ"田にし"ではありませんか、こんなことがあってからは下奥富では 、けっして田にしをとって食べてはいけないということになったそうです。
(広報さやま平成7年11月10日号より)
地図
所在地
狭山市大字下奥富1531番地付近
亀井神社
関連項目
社寺
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