「甘酒祭り」は、毎年2月10日宵宮と、11日大祭に上奥富の梅宮神社で行われます。神社の創建は承和5年(838)といわれ平安時代の儀式を今に伝える古社です。
祭りは、氏子が9組の祭組に分けられ、それぞれが順番に祭礼にたずさわる「頭屋制」というめずらしい形態です。
宵宮は、昔は川越のお殿さまが領主としてまねかれたそうですが、今では領主は氏子総代がつとめるそうです。あいさつをかわしながら濁酒をいただき饗宴がもりあがってきますと 所は高砂の…と謡がはじまります。
そのころ子どもたちは年長者がおやかたとなり、神社のわきに戸無しの室をつくり一晩中火をもやします。手おけの神輿をかつぎ、太鼓を先頭に賑にぎやかに「あい、灯明銭いっかん(一貫)、いっかん」と家々を廻ります。この灯明銭で境内と拝殿にともすローソクや、おこもりをする子どもたちのお菓子を買うそうです。戸無しの室でもやす火を「奥富おごり」といって、この火にあたると風邪をひかず、灰を妊婦が持ち帰ると安産だといわれています。
明けて11日は本まつり。参道と境内には露店が所せましと立ち並び、だるまの市もたちます。西方囃子やお神楽が奉納され、笛や太鼓の音が寒い北風にのって遠くまでひびきわたり、甘酒祭りは日暮れまで賑わいます。
(広報さやま平成15年2月10日号より)
上奥富の梅宮神社では、毎年2月10・11日に「甘酒祭り」(県指定無形民俗文化財)があります。
関東地方には珍しく京都地方に見られる頭屋祭の儀式で、その特徴としては、氏子が数組の頭屋に分けられ、それぞれが順番に祭礼にたずさわるものです。
10日の座揃式は、あいさつをかわしながら甘酒をいただき、饗宴が盛りあがり、「ところは高砂の…」と謡が始まり、甘酒と謡の儀式が何度となくくり返されます。
明けて11日は大祭です。りっぱな幟の立つ鳥居をくぐりますと、狭い参道の周りには、食べものやおもちゃの露店、それに植木市も並び、老若男女の参拝客でにぎわいます。社務所の前では甘酒のふるまいがあり、行列ができていました。
本殿の神楽殿では、奉納舞の里神楽、一方では地元の西方囃子が笛や太鼓の音でテンポよく祭りを盛りあげます。
「はい、一万両お買上げ!」と景気のいい声がとびかう縁起もののダルマ市も人気です。
寒い北風の吹く中で、農村地帯独特のふるさとの祭典は日暮れまで続きます。
(広報さやま平成20年2月10日号より)
地図
所在地
狭山市大字上奥富508番地
梅宮神社
関連項目
社寺
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