オトウカとは「稲荷さま」のことで、稲荷神社のお使いはキツネだそうです。それでキツネのことを狭山辺りでは、オトウカさまといっています。
昔のお話です。
下奥富の前田に住む、おじいさんが畑での仕事も終わり、夕暮れ近くなったので、のんびりと篭を背負って、夕焼けを眺めながら帰りかけたときのことです。
周囲が急に薄暗く、どこからともなく、水があふれ出てきました。
「ウワァー!こりゃあ、なんだべえ?」
慌てて尻をまくって、水の中で右往左往しながら、「深い、これは深い!誰か助けてくれー」と大声で叫んでおりました。
後ろの方から、「おーい!おじいさん、なにをやっとるべえ?」
ハッと我に返ったおじいさんは、なんとソバ畑の中を歩いておったのでした。
これは畑に住む、いたずらなオトウカさまに化かされたのです。
そんなことがあってから、おじいさんは、畑の仕事は朝のうちに済ませるようになったとのことでした。
(広報さやま平成21年3月10日号より)
場所
伝承地
狭山市大字下奥富1752番地2
前田「稲荷神社」
関連項目
社寺
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