なすとっかえとは、農家がその年にとれた『なす』を持って、お諏訪さまのなすととりかえる行事です。そして、この時にとりかえたなすを食べると、一年中病気をしないと いわれています。
このなすとっかえには、入間、広瀬、柏原、入曽、そして遠くは川越や高萩(日高町)の方からも大勢の人達がやってきたそうです。
また、むかしは今のように「七夕まつり」が盛んでなかったので、お諏訪さまのなすとっかえが一番にぎわったと言われています。
そして、子ども達にとっては、境内で行なわれる村相撲が、大の呼びものでした。相撲の前の日には、大人達が入間川の河原から砂を運んで、土俵をつくります。そして、家々はぼんぼりをつけ、ところどころには屋台もでました。
また、なすとっかえのお祭りには、菅原囃子、下諏訪囃子、広瀬囃子、入曽囃子などのにぎやかな鳴りものが入り、舞台もできて、若い衆が歌舞伎芝居をしたと言われています。
そして、なすとっかえの日には、ふしぎと毎年雨がふらずに、よいお天気ばかりだったそうです。
なすとっかえ、それはそれは、にぎやかなお祭りでした。
(狭山の絵本より)
入間川の七夕まつりが終わりますと、今度は、入間川四丁目にあります諏訪神社で「なすとっかえ」という、市指定無形民俗文化財の珍しい祭りが8月の第4週の土曜日と日曜日(今年は23・24日)に行われます。
この祭りには、こんな言い伝えがあります。その昔、神社の裏にある底なし沼に棲(す)む竜神が暴れまわって、村人は大変困っておりました。
ある夏の日、畑で取れたばかりのなすを竜神が食べたところ、急におとなしくなったそうです。
『夏になると、腹をこわして、苦しくて、苦しくて、暴れておったが、なすを食べて、具合がよくなった。今までの悪さを許せ!これからは、大神に仕え、村人のために尽くそう』
と言って、竜神は沼に消えていきました。こうして、村人は夏の病に効くなすの効用を知ったそうです。
この神事は、自分の畑で取れたなすを神社に奉納する代わりに、神前に供えてある、なすを頂いて食べるという奇祭で、なすは「夏の毒消し」といわれることから、このお祭が始まったと伝えられています。
(広報さやま平成20年8月号より)
地図
伝承地
狭山市入間川4丁目2番1号付近
入間川諏訪神社
関連項目
社寺
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