令和7年狭山市二十歳の集い(2025年1月12日挙行)市長式辞

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更新日:2025年2月6日

令和7年狭山市二十歳の集いにおける、市長式辞を掲載しています。

市長式辞

本日、ここに令和六年度 狭山市二十歳の集いを挙行するにあたり、式辞を申し上げます。

二十歳を迎えた皆さん。本日は誠におめでとうございます。そして。今日まで愛情をこめて育ててこられましたご両親をはじめ、ご家族の皆様、そして熱心にご指導くださいました諸先生方に対しましても、お慶びを申し上げます。

昨年、狭山市は市制施行70周年という節目を迎えましたが、節目の年は今年も続き、1945年の終戦から80年、昭和からは100年、21世紀になってからもう4分の1、そして皆さんは誕生してから20年という節目を迎えます。

今、日本は大きな転機を迎えています。新聞、テレビ、ネットを見れば、以前は当たり前であったことや常識ががらりと変わり、全く新しい状況が生まれている。そして、こと日本に関して言えば、
GDPなどの日本経済の規模や存在感が低下している
高齢化が進んで社会保障費が大変なことに
子供の数も減ってこのままでは
給料が
などの悲観的なニュースが極めて多い。このことは皆さんも実感しているはずです。
これらの課題は簡単には解決できそうにありません。それは、どの解決策を選択したとしても多くの人との意見の対立があり、すべての人を納得させるような解決策を見出すことは極めて困難だからです。現実と向き合うとは、大人になって毎日を歩むということはこうした日々の連続です。
これから皆さんは広い世の中に羽ばたいていく。先ほど話した通り、社会状況は悲観的なニュースの方が多い。その中で皆さんが本当に心の底からやりたい、成し遂げてみたいと思った時、多くの困難をものともせずに進もうとする時、必ず、こう言われることが多いでしょう。
「やめとけ」
多くの人が悲観的になっている時、私たちもその雰囲気や空気のようなものに流されてしまいます。その中で、先の見通しを立て、自分が望む方向に進むには強い意志が必要です。

2013年、今から12年前に北海道の球団に入団したある青年はプロ野球の名だたるOB達から「二刀流は無理」と批判されました。最初のシーズンの成績はホームランが3本、盗塁が4つ、投手としては3勝というものでした。「プロ野球をなめている」とまで言われたその青年はその後、海を渡り、昨年、メジャーリーグで前人未到の50本塁打50盗塁という大記録を打ち立てました。彼は後にこう言っています。「無理だと思わないことが一番大事」

1974年、25歳で長崎県平戸にあった父親の小さなカメラ店を手伝い始めた青年は40歳まで近くの温泉でカメラマンをしていたそうです。テレビショッピングを始めたのは45歳の時。その甲高く、なまりのある声で商品の魅力を伝え、一躍、大企業へと変貌を遂げました。その後も情熱を燃やし続けた彼は創業の地である長崎県に新たなスタジアムを建設し、サッカーチームを率いています。
彼は自分の人生を語る時、このように言っています。

「特別なことは何もしていない、目の前に与えられたやらねばならないことを一生懸命やり続けてきた」「変えられる未来を作るには今しかない」

そして、もう一人。2019年にこの世を去ったこの女性は縁あって、国際連合での仕事を引き受けました。その後、10年間にわたり、戦乱によって生きるか死ぬかの境目をさまよう多くの難民たちに寄り添いました。時にはやめた方がいいという言葉を振り切って、防弾チョッキを着て、最前線に立ち、とにかく「人命を救うための最善の選択」は何かを第一に行動し続け、日本人として、女性として初めての国連難民高等弁務官としての仕事を終えました。

彼女は後に日本の若者に向けてこのように言っています。
「何でも見てやろう、何でもやってみよう。そういう意気をもって、若い人には生活してほしい。本当に人間はどんなものなのか、どういう人がいるのか、自分の仕事はどういうものかということを肌で感じてほしい」

今、紹介した3人の方々は自分の内なる声に向き合い、それまでの常識や自分を大きく変えた方たちです。そうは言っても、自分は大谷や緒方さんにはなれないし、高田さんのような天性のトーク力もない。そうです、誰でも最初はそうなのです。

皆さんは知っているでしょうか。毎日1%、たった1%の努力を毎日続けると、1年後の自分はどのようになっているか。昨日は1の自分。今日、1%の努力をすると1.01になる。明日は1.01の1%だから1.0201。このほんの僅かな差が1年後には38倍という成果を生みます。これは複利という考え方です。

私は今年で53歳となります。最近、感じるようになったのは人生の中で最も後悔することとは、「あの時、やっておけば良かった」ということです。

生まれ持った才能や身長の高い低いも自分の生まれや育ちも、学歴も性別、国籍さえも関係ない。この1%の努力、誰もができそうな努力を今、続けることができるかどうかで、未来が変わります。だから、自分のことや夢を知りもしない人たちの心無い声によって、その胸に秘めている大切なものを自分自身でかき消すな。どうか、大事に大事に育て、それが広く世のため、人のためにつながるよう頑張って欲しいと願っています。
 
二十歳になった皆さんの大いなる挑戦に心からエールを送り、私からのお祝いの言葉といたします
令和7年(2025年)1月12日 
狭山市長 小谷野 剛

このページに関するお問い合わせは
生涯学習部 社会教育課

狭山市入間川1丁目23番5号

電話:04-2946-8594

FAX:04-2954-8671

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