昔の話です。
笹井の宗源寺あたりでは、夜しずかになりますと「ズイコー、ズイコー」と、なんともきみょうな音が聞えてきました。
まるで人が泣くような声でした。
村の人たちは気味わるがって、相談のけっかみんなで正体をたしかめることにしました。
なんと、それは寺にある大ケヤキが水をすいあげるときの音だったのでした。
木にも命があるということをあらためて識り、たいせつにあつかったということです。
題字・絵・文/池原昭治氏
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