この鎗は、応永32年(1425)に没した柏原の鎗鍛冶師の増田大水正金が作ったもので、全長67.8センチメートル、穂先の長さは23.5センチメートルあり、茎には「武州柏原住大水作」と銘が刻まれています。
増田鎗鍛冶は江戸時代後期に編さんされた『新編武蔵風土記稿』によると、正金以後4代にわたって鍛冶を業としたとあり、同家墓地に建つ「増田正金五百年記念碑」では、同人は大和国郡山(奈良県大和郡山市)の出身とあります。大和は京都と並んで鍛冶を業とする者が古くからいた地域なので、正金の代に柏原に移り住んだことがわかります。移住の年代は不明ですが、同人の没年から逆算すると少なくとも応永7年(1400)前後だったと思われます。また、増田鎗鍛冶はその後4代にわたって続いたとあるので、大永5年(1525)年ごろまでの125年間にわたり鎗を生産していたと考えられます。
なお、増田家の屋敷内には鍛冶師が崇拝した金山神社が祀られ、そこには永享元年(1429)銘の十一面観世音菩薩を鋳出した御正体があります。
- 狭山市指定文化財〔有形文化財・工芸品〕
- 指定日:昭和61年(1986)11月1日
- 所在地:狭山市柏原・個人蔵
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