北入曽の常泉寺観音堂は、七曲井の隣にある堂舎で、常泉寺が管理しています。創建年月は不明ですが、常泉寺にある『当山沿革史考』によれば、建仁2年(1202)に建てられたと記されています。
観音堂の本尊は、寄木造りの木造聖観世音菩薩坐像で、像高は54センチメートルです。製作年月は不明ですが、台座の裏を見ると「川越彫仏師大覚現住隆寛代」とあります。隆寛は常泉寺の住職で、同人は文政2年(1819)に没していますが、その前の住職が安永4年(1775)に亡くなっているのをみると、この観音像が造られたのは18世紀後半から19世紀前半にかけての約40年間ということがわかります。
宝髻(仏像の髪形の一種)を高く結い、端正な顔立ちで全体的に均整のとれた姿のこの仏像は、左手に未敷蓮華(つぼみのハス)を持ち、右手はすべての恐れを取り除き衆生(人類を含むすべての生き物)に安心を与える施無畏印を結んでおり、技術的にみても優れた作品です。
- 市指定文化財〔有形文化財・彫刻〕
- 指定日:昭和61年(1986)11月1日
場所
所在地
狭山市大字北入曽1366番地
常泉寺観音堂
関連項目
社寺
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