入間川2丁目にある徳林寺は曹洞宗の寺院で、本尊は頭に宝冠を戴く釈迦如来坐像です。同寺の創建年月は不明ですが、元弘3年(1333)5月に新田義貞が鎌倉幕府を攻める際に陣を張ったとの伝承があり、また、鎌倉公方の足利基氏が文和2年(1353)8月から9年余りにわたって滞陣した入間川御所の地ともいわれています。
徳林寺が所蔵するこの仏画は、いずれも絹本着色(絹地に彩色を施したもの)で、釈迦涅槃図は入間川村に450石余りの知行地(領地)を持っていた幕府旗本の小笠原家が元禄元年(1688)に徳林寺へ寄進したものです。また八相図は、当地の豪商綿貫家が延享2年(1745)に奉納したものです。
涅槃図とは、釈迦が亡くなったときの様子を絵にしたもので、弟子や諸王らが嘆き悲しんでいる姿が描かれています。八相図とは釈迦の生涯の主要な出来事八つを絵にしたものですが、これには七つしか描かれていないので、涅槃図と合わせて八相図になるよう描かれたものと思われます。
作者は、涅槃図は御絵所宗貞です。絵所とは幕府内の絵画を扱う役所のことですので、宗貞は幕府お抱え絵師の一人と考えられます。八相図は作者不詳ですが、大和絵系の相当名のある絵師によって描かれたものと推察されています。大きさは、涅槃図が縦177.5センチメートル、横104センチメートル、八相図が縦188.5センチメートル、横105センチメートルです。
- 狭山市指定文化財〔有形文化財・絵画〕
- 指定日:昭和61年(1986)11月1日
場所
所在地
狭山市入間川2丁目3番11号
徳林寺
関連項目
社寺
このページに関するお問い合わせは
生涯学習部 社会教育課
狭山市入間川1丁目23番5号
電話:04-2946-8594
FAX:04-2954-8671
この情報は役に立ちましたか?
お寄せいただいた評価はサイト運営の参考といたします。