広瀬にある禅龍寺は、曹洞宗の寺院で、本尊は木造の千手観世音菩薩坐像です。寺伝によると同寺は万寿年間(1024~28)の創立といわれていますが、太平洋戦争中に供出した享保年間(1716~36)作の梵鐘には、玉岫りん(王へんに『米』の下に『舛』)公尼が明応年間(1492~1501)に創建し、華巖文説が天正元年(1573)に中興開山したと刻まれていたとのことです。華巖文説は入間郡金子村(入間市)の瑞泉院5世で、禅龍寺に移った際に宗派を臨済宗から曹洞宗に改めました。
禅龍寺の境内には三仏堂というお堂がありますが、その本尊が文化財となっている木造千手観世音菩薩坐像です。この仏像は寄木造りで頭上に10の尊顔と弥陀の化仏を置き、44本の手があります。正面の尊顔は鼻が高くてインド人のような顔をしており、細かな部分まで極めて精巧に造られています。
千手観世音菩薩はその名のとおり1000本の手を持つ仏ですが、1手で25世界の衆生(すべての生き物)を救うとされるため、仏像にする場合は胸前の合掌印と腹前の法界定印(左手に右手を重ねて親指をつけたもの)を除き、40手に造る(40手に25を乗じて1000手と考える)のが一般的です。なお、伝承によるとこの仏像は、鎌倉の東慶寺から野島某という武士が持ち帰ったといわれています。
- 狭山市指定文化財〔有形文化財・彫刻〕
- 指定日:昭和61年(1986)11月1日
場所
所在地
狭山市広瀬2丁目20番1号
禅龍寺
関連項目
社寺
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電話:04-2946-8594
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