絵馬「子返しの図」・「陰陽和合図」

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更新日:2013年2月1日

この二つの絵馬は、柏原白鬚神社境内にある浅間神社に奉納されたもので、社殿内陣右側に「陰陽和合図」、左側に「子返しの図」が掛けられていました。
桐材に着色された絵馬(扁額)で、大きさは、縦44.3センチメートル、横81.7センチメートルを測り、製作の時期は、願主名から江戸時代末期と推定されます。

「子返しの図」は、表面上部に墨書で、

「足らぬとて まひ(間引)くこころの 愚かさよ 世に子宝と いふをしらすや」
「罪は身に むくうとしりて 天よりそ さつけたまわる 子かえしをする 願主 (名)」

とあります。「子返し」とは口減らしをすることで「間引き」ともいい、絵馬には産まれたばかりの我が子を「子返し」する女性と、その心のすがたが「鬼女」としていっしょに描かれており、墨書からも「子返し」を戒める内容になっています。

「陰陽和合図」は、表面上部に墨書で、

「月と日の 晦日の契りなかりせは 人のたねには なにかなるへき 願主 (名)」

とあり、人間(中央の子ども)とは画面上部の三つの宝珠(参玉:霊魂)を宿すもので、下に配された陰陽(月日:父母)の和合によって生まれるものであることを表現しており、子の誕生は摂理にしたがったものであることを、富士信仰に結び付けて描いています。富士講の基礎となる富士信仰は、出産習俗との関りが濃く、この絵馬も富士講が独自の生命観をもとに説いた産育や孝行の思想を絵解きするものになっています。

絵馬「子返しの図」と「陰陽和合図」は、同時期に同じ手法で作られ奉納されたと考えられ、描かれた意味・内容から2つの絵馬は一対をなすものとみなすことができます。

  • 狭山市指定文化財[有形民俗文化財]
  • 指定日
    絵馬「子返しの図」:昭和61年11月1日
    絵馬「陰陽和合図」:平成25年2月1日

場所

所在地
柏原1153番地
柏原白鬚神社

関連項目

社寺

陰陽和合図

このページに関するお問い合わせは
生涯学習部 社会教育課

狭山市入間川1丁目23番5号

電話:04-2946-8594

FAX:04-2954-8671

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