紙本地蔵十王図付他二幅

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更新日:2011年3月1日

根岸にある明光寺は真言宗智山(ちざん)派の寺院で、本尊は木造の地蔵菩薩坐像(じぞうぼさつざぞう)です。同寺は応和2年(962)に明光上人(みょうこうしょうにん)により創建されたと伝えられていますが、江戸時代後期に編さんされた『新編武蔵風土記稿(しんぺんむさしのこくふどきこう)』によると明光は明応7年(1498)に没したとあります。中興開山は覚円(かくえん)和尚で、天正7年(1579)に当地を領有していた加治家信(かじいえのぶ)から、南宋(なんそう)時代の禅僧牧谿(もっけい)が描いた楊柳(ようりゅう)観音画像の寄進を受けたといい、寺宝となっています。天正19年(1581)には徳川家康から寺領5石の黒印状(こくいんじょう)を賜り、以後12通の幕府朱印状を所持しています。
明光寺の本堂には紙本地蔵十王図が掲げてありますが、十王とは冥途(めいど)で死者の罪を裁く王のことです。人が亡くなると、遺族は初七日(しょなのか)二七日(ふたなのか)三七日(みなのか)にはじまり、百箇日・一年忌・三年忌と追善供養を行いますが、これは遺族が供養することによって死者が極楽へ行けることが保証されるとする地蔵十王思想が真言・天台・浄土などの諸宗派によって盛んに喧伝(けんでん)されたためで、それをまとめると次のようになります。

  1. 初七日…秦広王(しんこうおう)
  2. 二七日…初江王(しょこうおう)
  3. 三七日…宋帝王(そうていおう)
  4. 四七日…五官王(ごかんおう)
  5. 五七日…閻魔王(えんまおう)
  6. 六七日…変成王(へんじょうおう)
  7. 七七日…太山王(たいざんおう)
  8. 百箇日…平等王(びょうどうおう)
  9. 一年忌…都市王(としおう)
  10. 三年忌…五道転輪王(ごどうてんりんおう)

同寺のものは、これら十王のほかに地蔵菩薩・脱衣婆(だつえば)修羅(しゅら)の3幅を加えたもので、全部で13幅からなっています。大きさは、いずれも縦93センチメートル、横39センチメートルで、作者銘はありませんが、人物の描き方や構図はたいへんしっかりしています。

  • 狭山市指定文化財〔有形文化財・絵画〕
  • 指定日:昭和61年(1986)11月1日

場所



所在地
狭山市根岸2丁目5番1号
明光寺

関連項目

社寺

このページに関するお問い合わせは
生涯学習部 社会教育課

狭山市入間川1丁目23番5号

電話:04-2946-8594

FAX:04-2954-8671

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