柏原にある西浄寺は、真言宗霊雲寺派の寺院で、本尊は木造の大黒天立像です。同寺は元文5年(1740)までは天台宗の寺院でしたが、高健和尚が入寺してから真言宗となりました。
この寺は別名を甲子寺といいますが、それは大黒様のお使いがネズミであるところから生まれたもので、十二支の子をあてて甲子寺と称されるようになりました。かつては、60日目ごとに巡ってくる甲子の日には商売繁盛や福財を求める商人層を中心に、多くの参拝者でにぎわったとのことです。
「ねずみの図」は同寺が甲子寺といわれたところから奉納されたもので、たくさんのネズミが張り子の木槌を作っている姿が描かれています。
作者は河鍋曉斎で、同人は江戸末期から明治初期にかけて日本画壇で活躍した人です。曉斎は天保2年(1831)に下総国古河(茨城県古河市)で生まれ、幼少時から歌川国芳や狩野洞白に師事して画法を学びました。その画風は、鋭い写実力を持つ卓越した筆技と機知に富んだ着想にありますが、この絵も随所にそれが見られます。
同人は明治22年(1889)に59歳で亡くなりましたが、晩年には西浄寺住職の法仙和尚と親交があったことから同寺をたびたび訪れました。そのため柏原を中心とした市域には、曉斎の絵が数多く残されています。
- 狭山市指定文化財〔有形文化財・絵画〕
- 指定日:昭和50年(1975)3月1日
場所
所在地
現在は、西浄寺より寄託を受け狭山市立博物館で保管
狭山市稲荷山1丁目23番1号・狭山市立博物館
関連項目
社寺
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