笹井にある宗源寺は曹洞宗の寺院ですが、寺伝によるとかつて宗源庵という草庵があり、木造の地蔵菩薩像が安置されていたといわれています。開基は、江戸時代初期に当地で175石余の領地を有した旗本の土屋昌吉と、同じく100石余を有した土屋正久の両人で、開山は同寺の本寺である龍穏寺(越生町所在)16世の鶴峯禅師です。
文化財に指定されている寄木造りの木造宝冠釈迦如来坐像は、同寺の本尊で像高は38センチメートルです。釈迦如来は、ふつう頭はイボイボの螺髪で中央に盛り上がった肉髻があり、衲衣をまとう姿をしていますが、この釈迦如来は宝冠を戴き、瓔珞と呼ばれる胸飾りを着けた菩薩形に造られています。
尊顔はほほ笑みを浮かべ、わずかですが口元から白い歯をのぞかせています。そのためこの仏像は、微笑釈迦牟尼仏とか歯仏ともいわれています。光背は透かし彫りで、その上部には天女が、下部には極楽浄土に棲む迦陵頻といわれる鳥が刻まれています。
制作年代は、本堂を改築する際に発見された木札の墨書銘から、宝暦12年(1762)4月8日であることがわかっています。
- 狭山市指定文化財〔有形文化財・彫刻〕
- 指定日:昭和61年(1986)11月1日
場所
所在地
狭山市笹井2丁目17番8号
宗源寺
関連項目
社寺
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