広福寺は天台宗の寺院で、本尊は木造の薬師如来坐像です。創建は永禄11年(1568)と伝えられていますが、過去帳を見ると「永正甲戌仏涅槃日天台沙門実海寂」とあるので、その草創は永正11年(1514)以前にさかのぼるものと考えられます。
同寺の山門は白壁が美しい竜宮造りの建築様式をとるもので、入母屋造りの瓦葺き屋根の下は鐘楼になっています。この山門は、同寺所蔵の「表門諸入用帳面式」によると、文化元年(1804)10月29日に棟上祝儀を行ったとあるので、翌年には完成したと考えられています。また、同文書によると、工費は大工や木挽の手間賃などを含めて281両2分2朱余とあるので、莫大な経費をかけて建てられたことがわかります。
なお、同寺には、雨亭が描いた人物画の杉戸がありますが、同人は中国から来た人で文化2年に亡くなっているので、この山門建築に何らかの関係があったのではないかと推察されています。
- 狭山市指定文化財〔有形文化財・建造物〕
- 指定日:昭和48年(1973)3月1日
場所
所在地
狭山市大字下奥富844番地
広福寺
関連項目
社寺
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