南入曽にある金剛院は真言宗豊山派の寺院で、本尊は木造の不動明王坐像です。同院の創立は不明ですが、深悦沙門により天文2年(1533)に中興開山されたといわれ、明治初期までは御嶽権現(現在の入間野神社の別当寺(神仏分離以前に神社に設けられた寺院)でした。
金剛院にある寄木造りの木造地蔵菩薩立像はかつて南入曽にあった地蔵堂の本尊で、像高は79センチメートルです。地蔵菩薩は釈迦が亡くなってから56億7000万年後に弥勒菩薩が現れるまでの無仏の間、この世で衆生(人類を含むすべての生き物)を救う仏とされています。そのため尊顔は慈悲深い穏やかな顔立ちをしており、右手には錫杖を、左手には宝珠を持っています。錫杖は僧侶が持つ環のついた杖で、もともとはインドの僧が山野を遊行するときに振り鳴らし、毒蛇や害虫を追い払ったものといわれています。宝珠は如意宝珠ともいい、意のままに宝などを出すとともに、病苦を取り除くことができるとされています。
同院所蔵の古文書によると、この地蔵菩薩は元亀4年(1573)に当地の善八と甚悦沙門らが、仏師玉運に依頼して修理したとあるので、その製作年代は室町時代にまでさかのぼることができます。
- 狭山市指定文化財〔有形文化財・彫刻〕
- 指定日:昭和61年(1986)11月1日
場所
所在地
狭山市大字南入曽460番地
金剛院
関連項目
社寺
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