下奥富にある生越道道標(※「せごしどうどうひょう」とも呼んでいます。)は寛政2年(1790)に建てられたもので、国道16号の新狭山駅入口交差点近くにあります。
この道しるべを生越道道標と呼ぶのは、左側面に「北 下奥富入口并柏原生越道」とあるためです。生越は「せごし」とも呼ばれてきており、入間川の流れを越すこととの説がありますが、ここから1キロメートルほど南の青柳にある道しるべには「越生」と刻まれているので、やはり「おごせ」(現在の越生町)と読むのが正しいと思われます。正面には「西 扇町谷一り半 八王子拾八り」、右側面には「南三ツ木□□村□□□武蔵野道」、裏面には「東 川越一り半」と、近郷の村名や主要宿駅と距離が刻まれています。また、正面には東西南北の字句を詠み込んだ歌が彫られていますが、判読できない部分があり、意味不明なのは惜しまれるところです。
道しるべは本来、旅人の便を図るために建てるもので、そこに宿場名や行き先を刻むのは、彼らが迷うことなく目的地へ到着できるようにとの配慮からです。自分たちの利益に全く無関係な道しるべを下奥富村の人が建てたのは、仏教でいう作善、つまり生前に善を施すことが、死後の極楽往生を約束する道につながると考えていたためと思われます。
- 狭山市指定文化財〔記念物・史跡〕
- 指定日:昭和50年(1975)3月1日
場所
所在地
狭山市大字下奥富496番地の3
関連項目
民話・伝承
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