天岑寺月待供養の碑は、同寺の惣門を入った左側にあります。月待とは、十三夜・十五夜・二十三夜など特定の月齢の夜に信者が集まり、月の出を待ってこれを拝む行事で、その供養の印として建てたのがこの碑です。
高さ129センチメートル、幅39センチメートルのこの碑は、文明14年(1482)8月23日に造立されたもので、正面に阿弥陀三尊の来迎図が、その上部には天蓋 と日月が、画像の下には前机と花瓶・香炉・燭台の三具足が刻まれています。施主は、農民の中でも主導的立場にあった名主級と思われる11名で、そのほか僧籍の者2名がみられます。
この供養碑は秩父地方産の緑泥片岩を材質とするもので、武蔵型板碑の一種です。緑泥片岩はその名のとおり緑色をした岩石で、板状に薄くはがれる性質があるところから、13世紀から16世紀末に至るまで、県内を中心に数多く造立されました。板碑のことを青石塔婆と呼ぶのはこのためで、その形は偏平な石の頭部を三角形に整形し、直下に二条線と呼ばれる切り込みを入れ、それにつづく長方形の身部に信仰の対象となる種子〔如来や菩薩を表す梵字 〕や画像が刻まれ、下部には造立年月日や供養者・被供養者の名前または法名があります。
- 狭山市指定文化財〔有形民俗文化財〕
- 指定日:昭和48年(1973)3月1日
場所
所在地
狭山市沢5番34号
天岑寺
関連項目
社寺
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