狭山市長 小谷野 剛
明けましておめでとうございます。市民の皆様におかれましては、輝かしい新春をお迎えのことと存じます。
昨年を一言で表現するならばポストコロナを目指した一年であったと思います。この3年間、医療従事者や事業者をはじめとする多くの皆様にご協力をいただき、ワクチン接種や医療体制の確保など、新型コロナウイルス感染症対策をしっかりと進めることができました。ご協力いただいた皆さんには改めて感謝を申し上げます。
国際情勢の激変による原油価格や物価の高騰は市民生活に大きな影響を及ぼしました。市では、国の交付金を活用し、30%のプレミアム付きチケットの発行や水道料金基本料の免除、子ども1人あたり1万円を支給する子ども子育て応援金など、市民生活や事業活動を守るための様々な取り組みを進めてまいりました。
他方、コロナ禍で停滞した事業や賑わいを取り戻すため、入間川七夕まつりや大茶会、体育祭をはじめとする地域の行事が徐々に再開されました。新狭山北口商店街では、商店街の活性化や集客に繋がるようなイベントを企画し、もう一度まちを盛り上げようとシンサヤママーケットが開催されています。こうした動きが入曽地区にも広がり、いりそらマルシェの開催へと繋がりました。
産業の分野では、令和3年度に事業完了した狭山工業団地の拡張地区に進出した3つの企業が操業を開始しました。昨年夏には、大野埼玉県知事が本市を訪問され、中小企業の伴走支援を行っている「Saya-biz」や市内の先端産業を行っている事業者を視察されました。元気な商業、工業、農業を目指して、市民の皆さんとともに行政も一緒になって取り組むことができたと考えています。健康の分野では、新たな取り組みとして、女性特有のがん検診の初回無料化キャンペーンを実施したところ、多くの方が検診を受診され、がんの早期発見、早期治療に一定の効果があったと考えています。堀兼地区では、デマンドバスの実証実験が開始されました。買い物難民や運転免許証を返納した方などの日常の交通手段として、地域住民の移動手段となる公共交通の問題を解決していく画期的な取り組みとなっています。
さらに文化・スポーツ面でも本市にゆかりのある方々が素晴らしい功績をあげられました。今年20歳を迎える早川夏美選手は全米女子オープンに出場する快挙を果たし、書家の牛窪梧十氏は恩賜賞及び日本芸術院賞を受賞、そして人間国宝で能楽師(狂言方大蔵流)の山本東次郎氏が文化功労者に選ばれるなど、市民の誇りとなる大変喜ばしいニュースでした。
このように、コロナ禍にあっても一歩一歩あゆみを進めていきながら、「コロナ前」を取り戻しつつ、新しい動きにもしっかりとつなげることができた1年であったと思います。そして、令和5年は、社会の変化をポジティブに捉え、新しい狭山を目指す1年にしていきたいと思います。
少子化対策として、国の施策でもある妊娠時・出産時にそれぞれ5万円を給付する事業が2月からスタートします。また、出産育児一時金も50万円まで増額されます。こうした国の動きに合わせ市独自の施策として、こども医療費の対象年齢を、これまでの中学3年生までから高校3年生までに拡大します。子育て世代の負担を軽減し、子育てがしやすい社会に向けて取り組んでいきたいと考えています。
自然環境が大きく変化し、地球規模で災害が激甚化しています。地球温暖化に影響がある温室効果ガス排出量の削減は、一層取り組まなければなりません。西部地域まちづくり協議会(ダイアプラン)の構成5市(所沢市、入間市、飯能市、日高市、狭山市)の中で、産業界からの二酸化炭素の排出量が最も多い本市では、事業者の皆さんと協力しながら、ゼロカーボンシティに向けた取り組みに力を入れていきます。
災害時の対応も強化しなくてはなりません。昨年本市では、市内事業者と従業員送迎用のバスを避難行動要支援者の輸送に活用する協定や被災者への炊き出しに協力いただく災害協定を狭山市キッチンカー協会とも締結するなど、合わせて7つの防災協定を締結しました。避難や災害時の食事など、あらゆることを想定し、皆さんが安心して暮らせる安心安全のまちづくりに取組んでまいります。
市民の利便性向上と行政運営の効率化を進めるため、行政のデジタル化にも力を入れていきます。その基盤となるマイナンバーカードの申請率は、昨年末時点で約6割を超えています。この割合が増えていけば、マイナンバーを活用し様々な市民サービスを向上することができますので、一人でも多くの皆さんにカードを取得いただけるよう努めてまいります。
都市基盤の整備では、入曽駅周辺整備事業について駅舎の橋上化や自由通路、民間商業施設など目に見える形で整備が進む1年になります。令和7年3月のまちびらきを目指して多くの市民の皆さんのご期待に沿うことができるよう力強く進めてまいります。
本市は長い間、人口減少に苦しんでまいりましたが、この数年間は転出者よりも転入者が多い社会増の状況が続いています。特に、令和3年は約650人の社会増となり、この数値は約30年ぶりの規模となりましたが、一昨年は12月の時点で、昨年を超える社会増となっています。このことは多くの皆さんから、本市のすばらしさや魅力を評価いただいた結果であり、狭山市が選ばれるまちへと変貌を遂げつつあるものと捉えています。
市民の皆さんは、これまでコロナ禍で大変な思いをされてきたと思います。今年は名実ともにコロナ禍を克服し、安心安全、そして、皆さんの生活を守ることができるよう、全力で市政運営に取り組んでまいりますので、引き続きご協力をお願いします。
結びに、皆様のご健勝とご多幸を祈念申し上げまして、新年の挨拶とさせていただきます。
このページに関するお問い合わせは
企画財政部 広報課
狭山市入間川1丁目23番5号
電話:04-2935-3765
FAX:04-2954-6262
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