2020年7月号

思いを巡らす夏に
　まぶしい太陽が待ち遠しい毎日です。子どもたちは夏休みを楽しみにしていると思いますが、今年は臨時休校の影響で大幅に期間が短縮となります。短くとも、思い出が残る夏休みにして欲しいと思います。私も夏休みには、友人たちと普段はできないことに挑戦したり、部活動に熱中したりと思い出がたくさんあります。いつの日か、あの時のような豊かな時間を持ちたいと願うばかりです。
　さて、昔の話になりますが、17世紀の中ごろ、英国で感染症であるペストが大流行しました。この時、大学が閉鎖されてしまった一人の学生が、ペストから逃れようと、一時故郷に戻ります。彼の名前はアイザック・ニュートン。万有引力の法則をはじめ、人類史に残る物理学や数学上の大発見は、この予期せぬ休暇中に成し得たものです。ペストの流行が、休暇を「創造的」なものへと変えたこと、人類を進歩させるきっかけになったことは一つの史実となっています。
　今年は感染予防のため、さまざまな行事が中止となります。そんな時だからこそ、私たちも大きな進歩を遂げられるよう、興味を抱いたことに思いを巡らす夏としましょう。